スーパービジョン~ロールプレイを通して

21 5 月, 2009 (07:42) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 昨日は,一日病院勤務後,夜専門学校の講義でした.本日は,午前専門学校の講義,午後から病院勤務です.


さて,本日の話題は,昨日のスーパービジョンの話をしたいと思います.


ケースは,来週退院期限の患者様ご家族とのやり取りで,未だ退院先が不明確なので,その確認をするという電話相談でした.先週,退院に関してご家族とのやり取りで,「退院を急かされている気がする」とご家族に言われ,「退院日は守ります」といわれています.しかし,どの援助者でも,退院一週間前になって行き先が決まっていなければ不安になるものです.


このような状況で,電話をすることになりました.そこで,まず,ロールプレイをやってもらいました.一回目のロールプレイは,最悪.まったく伝えたいことも,聞きたいことも不明確で,聴いている私がイライラするものでした(利用者の立場に立って考えた場合です).


そこで,現状況のアセスメントができているのかを確認すると,憶測で話をしていることが判明しました.つまり,①施設提出用の診断書が病院に依頼されている状態なのか,②その診断書は医師によって記入済みの状態なのか,③出来上がった診断書をご家族が取りに来ている状態なのか,④もうすでにその診断書は,施設に提出されている状態なのか,ということです.結論としては,②の状態で,あとはご家族が書類を取りに来て,施設へ提出する状態でした.つまり,②以降の話をすればいいことがわかりました.


この時点で第二回目のロールプレイを行いました.ロールプレイを受けた側の感想は,早口で何か急かされている感じがしたとのこと.私の感想は,だらだら長く,何を質問しているのか不明確だと感じました.


そこで,二人(後輩ワーカー)にひとつだけ質問することができるとしたら,何を質問するかを聞きました.この電話面接では,伝えること一つ,質問を一つすることを目標としました.「いつ頃,診断書を取りにこれるか.いつ頃,施設へ提出できるか」ということを質問としたいとしましたが,私のほうから,「どこの施設に入るのかを明確にすることが優先であること」と伝えました.また,この面接では,退院日の話はしない,クライエント(家族)の「退院日は守ります」の言葉を信じることを前提としました.


さらに,この電話面接で話することを整理しました.①伝えることは:診断書ができているので取りに来てほしいこと,②質問は:どの施設に入るのか,そして最後に,③今後のことで不安なことや不明なことはないかを聴くことにしました.③が唯一のオープン・クエッションです.


ここでロールプレイをしました.上述の三点を伝えましたが,導入と,終結が何となく不自然だったので,最後の提案として,導入部分では,以前の面談から書類提出までの時間がとても短時間だったので,その部分に関してのねぎらいをしてもいいのではないかということ.終結部分では,施設への書類提出を話の流れから促すことを提案しました.


以上,スーパービジョン&ロールプレイを行った後,実際の電話面接.ほぼパーフェクトに終了.このケースも何とか来週に施設入居できるでしょう.


このように,スーパービジョンやロールプレイが以下に重要かわかるかと思います.


 『福祉総合教育におけるロールプレイ』 ロールプレイは,福祉教育や専門家教育にとても重要な方法です.我が医療福祉相談室では,頻回にこのロールプレイを行い,自己の面接を点検しています.


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生活保護制度~第四回講義

20 5 月, 2009 (08:24) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 早いもので,一週間も折り返し.やることはたくさんあります.昨日は,一日病院勤務でした.

さて,本日は,生活保護制度講義の続きをやりたいと思います.今回は,第四回講義です.前回は,生活保護法に規定される4つの原則について整理しました.今回は,生活保護の種類と内容について解説したいと思います.

生活保護制度第一回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=486

生活保護制度第二回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=488

生活保護制度第三回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=489

今回は,生活保護(扶助)の種類と方法について整理をしたいと思います.扶助とは,辞書的には,「(経済的に)助けること」となっています.現代的な福祉観でいえば,サービス・サポートと訳すことができるのではないでしょうか.生活保護は,要保護者の状況に応じて,ひとつもしくは複数の扶助(サービス)の組み合わせによって支給されます.

まず,その扶助(サービス)の種類を列挙してみたいと思います.生活保護法では生活費の性質によって,保護の種類を①生活扶助,②教育扶助,③住宅扶助,④医療扶助,⑤介護扶助,⑥出産扶助,⑦生業扶助,⑧葬祭扶助の8つに分けています.私が,大学で福祉教育を受けたときは,まだ介護保険が始まる前だったので,⑤の介護扶助を除く,7つの扶助として覚えました.が,現在は,8つの扶助です.これらの扶助(サービス)は,それぞれに年齢や世帯構成,所在地域などによって基準学が定められ,要保護者の状況に応じて支給されます.つまり,この8つの扶助(サービス)メニューから,要保護者に応じた扶助(サービス)の組み合わせによって支給されます.

8つの扶助(サービス)メニューから,一つだけの扶助(サービス)を利用することを「単給」といいます.複数の扶助(サービス)を合わせて給付する場合を「併給」といいます.

また,給付の際,現金(金銭)を給付することを「金銭給付」といい,金銭ではなく,医療や介護のように実際のサービス又は,物品などを直接給付することを「現物給付」といいます.これらの用語は,生活保護制度独特の用語なので,覚えておくよいでしょう.

実施状況を少しお話しますと,生活保護世帯を見てみると,2005年度は104万世帯に達し,2006年度は107万世帯,2007年度は110万世帯を上回っています.次に,扶助率を見てみると,高い順に,生活扶助,医療扶助,住宅扶助の順になっていますが,生活扶助の扶助率がほぼ横ばいであるのに対し,医療扶助と住宅扶助の扶助率は上昇傾向にあります.

以上,本日は,生活保護の種類と内容についてお話いたしました.実態状況については,資料などを利用して確認して置いてください.次回講義は,8つの扶助(サービス)の内容の説明です.

 『厚生労働白書(平成20年度版)』 「今」の福祉の問題や取り組み課題,国の基本姿勢,最新の統計等が盛り込まれています.社会福祉士受験生は,必読書です.近年,厚生労働白書の発刊が遅くなっていますので,受験生は,平成20年度版でも一度必ず目を通しておくこと!試験に出ますよ.

本日は,一日病院勤務.夜,専門学校の講義です.

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援助者の価値観~自己覚知

19 5 月, 2009 (08:16) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 昨日は,午前病院勤務.午後から学芸大で講義でした.何となくバタバタの一日でした.移動中の電車も,帰りの電車も遅延でした.本日は,一日病院勤務です.


さて,今日の話題は,価値観についてお話したいと思います.なので,本日は生活保護のお話はお休みです.


昨日の学芸大(援助技術演習)の講義では,自己覚知(理解)の一環として,自分自身の価値観について少し考えていました.ある事例を出し,自分の考え(価値観)に基づき選択してもらうワークをやりました.まず,個人作業を行い,次にグループでの討議,そして,クラス全体で各グループの発表を聴き,共有化していきました.最後に,個人作業に戻り,自分の価値観と他者との価値観,そして,グループで作成した価値観を比べて,自分自身の価値観を理解してもらいました.


ここで重要なことは,「私の価値観はソーシャルワーカーには向かない」,「私の価値観は他の人と違うからおかしい」,「この価値観を直さなければ」・・ということ,ではないということです.私なりの価値観こそ,その人の独自性であり,特性ですから,それを直したりすることはありません.つまり,自己の価値観をよく理解することが重要であるということです.もし,価値観のゆがみなどに気がつかない場合,相手を偏り,誤って判断するかもしれません.私たち援助者は,相手をよく理解する為に,まず自分がどのような価値観を持っているのか気がつくことが必要なのです.


次に,この自身の価値観にジレンマが生じる場面があります.それを整理すると,以下の4つが挙げられます.


①自分の価値観とソーシャルワーク倫理とのジレンマ


②自分の価値観とクライエント(利用者・家族)の価値観とのジレンマ


③自分の価値観と同僚/他の専門職の価値観とのジレンマ


④自分の価値観と所属する組織の価値観とのジレンマ


まず,新人のワーカーがぶつかる壁は,①②でしょう.①については,大学教育を通して,ある程度理解されているかと思いますが,実際の臨床現場で遭遇する事例場面において,時々ジレンマが生じます.そして,入職直後から一年未満では,②のクライエントの価値観の理解に苦しむことになります.学校でも,想定された演習はおこなわれますが,実際の事例では,クライエント独自の価値観に戸惑うでしょう.このとき,先輩ワーカーからの適切な支持や指導を通して,成長していきます.


次に,③のジレンマも,院内や施設内の状況や職場内の状況が把握・理解され始めた半年くらいから生じます.特に,他の専門職の価値観とのジレンマに戸惑い,苦しむのではないでしょうか.そして,短絡的に「あの人はわかってない」と他者を攻めてしまうこともあるでしょう.このときは,他者理解が重要になります.他者はどのような価値判断・価値基準のもとで,そのような言動をしているのかを理解することが重要です.


最後に,④の所属組織の価値観とのジレンマですが,2~3年くらい経つと痛感するのではないでしょうか.施設や病院,職場の経営状況や実態がわかり始め,それに参画しはじめると,気になってくる点です.このとき,自分の価値観と所属組織の価値観の違いをよく理解しない場合,ケースのストーリに一貫性がなくなってしまいます.そうなると,一度構築された利用者との信頼関係をあっという間に崩壊してしまいます.また,このスタンスで面接をおこなっていくと,いつまでたっても利用者との信頼関係が構築できません.


つまり,ソーシャルワーカーは,常に自身の臨床や知識,技術を点検すること.常に自身を理解し,自己覚知し続けること重要なのです.そういった意味では,それをサポートしてくれる先輩ワーカー(スーパーバイザー)の存在は重要になってきます.


 『価値と倫理を根底に置いたソーシャルワーク演習』 川村隆彦著 新人ワーカーの方は是非一読!とてもわかりやすいです.昨日,学芸大の講義で使用したテキストになります.事例やエッセイなどもたくさん収録されていて,読み物としてもおもしろいです.


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生活保護制度~第三回講義

18 5 月, 2009 (08:25) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 本日,午前病院勤務.午後から学芸大で講義です.昨日は,一日在宅で,資料整理や調べものをしていました.一日あっという間に終わってしまいました.5月も,もう後半戦ですね.時間が経つのがとても早いです.

さて,本日は,昨日に続き生活保護制度のお話をしたいと思います.昨日は,生活保護の原理を整理しました.生活保護法には,3つの原理が,2条,3条,4条で規定されています.

生活保護制度第一回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=486

生活保護制度第二回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=488

本日は,生活保護の原則について説明したいと思います.まず,昨日も整理しましたが,原理と原則について,辞書的な意味を整理しておきたいと思います.原理とは,事象やそれについての認識を成り立たせる,根本となるしくみであり,原則とは,基本的な規則や法則です.しばしばこれら二つは,区別せずに用いられるが,原理は主として存在や認識に,原則は主として人間の活動に関係するとされています.そして,生活保護法では,3つの原理と,4つの原則が,それぞれ生活保護法に規定されています.

4つの原則とは,①申請保護の原則(生活保護法第7条),②基準及び程度の原則(生活保護法第8条),③必要即応の原則(生活保護法第9条),④世帯単位の原則(生活保護法第10条)です.

①申請保護の原則(生活保護法第7条)は,生活保護を開始するためには,当事者(要保護者・生活困窮者)からの申請に基づくということを示したものです.もう少し詳しくお話をすると,当事者(要保護者 ・生活困窮者)やその扶養義務者,あるいは同一の親族による申請に基づき開始されます.申請権を本人のみに限定していないのは,身体的・精神的な病気や障害によって,現実的に申請できないことを配慮しているからです.日本の福祉制度は,この「申請」に基づく利用開始が殆どです.しかし,要保護者が急迫した状況にあるとき,保護の申請がなくても保護の実施機関の職権で必要な保護をおこなうこともできます.

生活保護は,国民の多くの人々が正しく理解できていない為,それに対する差別や「生活保護を受けるようになったらもうダメだ」という価値観があることも事実です.実際,面接などで生活保護の話などをすると,同様な声が聞かれる場合もあります.そういった意味では,我々ソーシャルワーカーや福祉援助者は,生活保護に関する正しい知識を習得していることや,利用者の包括的・総合的なアセスメントをおこなうことで,適切な情報提供と適切なタイミングで,生活保護制度を利用してもうらことができるのではないでしょうか.

②基準及び程度の原則(生活保護法第8条)は,厚生労働大臣が定める生活保護基準は,最低限度の生活(健康で文化的な最低限度の生活)を満たすものでなければならず,また保護(程度)についてはその基準に基づく不足分を補う程度のものであると示したものです.この基準は,要保護者の年齢や世帯構成,所在地域,そのほか保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低生活の需要を満たすものに過不足ないないものとされています.具体的には,8つの扶助と加算があります.8つの扶助については,次回の講義で取り上げたいと思います.

③必要即応の原則(生活保護法第9条)とは,生活保護法第2条に規定される「無差別平等の原理」の機械的及び画一的な運用を防止することを目的に,要保護者の年齢や健康状態などその個人又は世帯の実情や実際の必要性の相違を考慮し,有効且つ適切に保護を実施するという原則です.

④世帯単位の原則(生活保護法第10条)は,簡単に言うと,生活保護は,個人個人で申請,受給されるものではなく,世帯単位で保護されるものであるということを示しています.つまり,同一の住居に居住し,生計を一にしているものは同一世帯と認定し,その世帯をひとつの単位として保護の要否や程度を判断し,実施するという原則です.また,出稼ぎや下宿・寄宿などをしている場合も,同一の住居に居住していないものの,生計が同一であるため同一世帯と認定されています.

しかし,この原則を適用することで,かえってその世帯が生活困窮な状態や最低生活を維持できない場合や,被保護者の自立が害われる場合などは,同一世帯であっても世帯を別に取り扱う,「世帯分離」をします.しかし,現実的に,この世帯分離が成立するケースは,とても少ないです.実際のケースを考えてみても,この世帯分離に当たるケースは,10年余りソーシャルワーカーをやっていますが,数ケースのみで,その際もとても大変でした.

以上,本日は,生活保護4原則について整理いたしました.前回,今回と,二回に渡って生活保護の原理・原則について整理してきましたが,実際の運用は,この原理・原則の文面どおりにはいきません.それに,疑問や憤りを感じる人々や新人の援助者の方も多いです.生活保護の実際については,生活保護法関係法令及び通知等を分類整理した生活保護手帳〈2008年度版〉
を使って運用されているのが実際です.もし,自身の施設や病院で生活保護を受給する方がいる場合,またその可能性がある場合は,この生活保護手帳〈2008年度版〉
は,持っておいたほうがいいと思います.

次回第4回の講義は,生活保護の8つの扶助についてです.生活保護の種類や内容について細かく整理していきたいと思っています.これもたぶん,2~3回に分けてお送りしますと思います.

 『プロケースワーカー100の心得』 柴田純一著 現場を知る柴田氏がケースワーカー業務の意味と心構え,実際の仕事や生活保護法の解釈と運用をめぐる問題,働きやすい職場環境などについて整理しています.福祉事務所新人職員に向けた解説書ともいえる本です.生活保護に興味がある方は絶対お薦め.

*ブログメイル送ってくださる方々,ありがとうございます.勿論,学生さん以外のメイルもお受けしていますので,お気軽にメイルください.若干お時間はかかるかと思いますが,返信必ずいたします.

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生活保護制度~第二回講義

17 5 月, 2009 (07:38) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 本日は,一日お休みですが,いつもと変わらず5時起きでした.

昨日は,古くからの友人と三人でイタリアンを食べに行きました.スプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)+白ワイン+赤ワインと,ワインを堪能しました.なかなか時間が合わず,久しぶりの再開でしたが,旧友は,数秒で一気にココロが開放されます.

さて,本日は,生活保護制度二回講義をしたいとおもいます.前回は,生活保護の目的について整理しました(⇒生活保護制度第一回講義:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=486).

本日は,生活保護の原理・原則について説明したいと思います.まず,原理と原則について,辞書的な意味を整理しておきたいと思います.原理とは,事象やそれについての認識を成り立たせる,根本となるしくみであり,原則とは,基本的な規則や法則です.しばしばこれら二つは,区別せずに用いられるが,原理は主として存在や認識に,原則は主として人間の活動に関係するとされています.

生活保護は,3つの原理と,4つの原則が,それぞれ生活保護法に規定されています.まず,3つの原理ですが,それは,①無差別平等の原理,②最低生活の原理,③保護の補足性の原理です.

①無差別平等の原理(生活保護法第2条)は,生活保護法の解釈・運用において,人種や信条,性別,社会的身分や生活困窮に陥った原因などによる給付制限などの差別的な扱いをしないとしています.同時に,この規定は国民が保護を受けることを「恩恵」ではなく,「権利(生存権)」として定めているもので,この法の要件を満たす限りにおいて,保護の請求権(生活に困窮しているものが給付を請求できる権利)をすべての国民に無差別平等に付与しているものと解釈することができます. 

②最低生活の原理(生活保護法第3条)は,同法が日本国憲法の25条に規定される生存権保障に基づき制定されているため,生活保護の扶助は,日本国憲法の規定をふまえ「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するできる水準とされている.実際の保護基準については,同法8条の規定により厚生労働大臣が設定しています.

③保護の補足性の原理(生活保護法第4条)とは,生活困窮者が生活保護に基づく扶助を受ける用件として,資産や能力を活用し,また民法(877条)に規定される親族(直系血族及び兄弟姉妹及び三親等内の親族)による扶養や利用できる制度や法律を活用することが,生活保護法よりも優先されており,生活保護法はその不足分を補うものということです.そのため,保護に先立っては,資産調査(ミーンズテスト)が施行されます.少し細かいことですが,資産とは,土地や持ち家などの不動産です.能力とは,就業能力です.つまり,基本的に病気などがない場合は,65歳以下の人は就業の能力があると認定されるため,なかなか生活保護を受給できない現状にあります.

一方で,生活保護法は,他の福祉制度及び関連制度を優先としているため,セーフティ・ネットの役割・機能を果たしているため,この網(ネット)かのらこぼれ落ちは,「死」に直結するとても重要な制度であることも理解できます.生活保護の窓口の担当者は,自分の価値観や色眼鏡で申請を操作していないかをもう一度点検する必要があります.生活保護の担当の方とは,たくさん仕事しており,本当に不休の中,ケースに取り組んでいる方もたくさんしていますが,一方で,劣悪な担当もたくさんいます.自分たちがやっている仕事が,人の生死にかかわっているんだという意識を持ってほしいです.平気で嘘やごまかしをする担当者いますからね.そういう担当者とは,協働することもできません.本当に一生懸命やっている方たくさんいるんでが,こういったいい加減な担当者によって足を引っ張られているのも事実です.ただし,生活保護担当部署は,過酷な労働状況であること事実です.担当者を増やすなどの対策は急務だと思います.もちろん,我々のような福祉専門家を行政も採用して,必要部署に配置していくことも重要です.

以上,原理について整理しました.本当は,4原則についても講義する予定でしたが,原理だけでかなりの量になってしまったので,4原則は,次回第3回の講義にしたいと思います.生活保護という用語だけは,知っていた,聞いたことがあるという方は多いかと思いますが,3つの原理を理解することで,生活保護の概要が整理できたかと思います.

 『プロケースワーカー100の心得』 柴田純一著 現場を知る柴田氏がケースワーカー業務の意味と心構え,実際の仕事や生活保護法の解釈と運用をめぐる問題,働きやすい職場環境などについて整理しています.福祉事務所新人職員に向けた解説書ともいえる本です.生活保護に興味がある方は絶対お薦め.

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「疲れてできない」の言葉の重み.

16 5 月, 2009 (08:34) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 昨日は,知的障害者作業所の職員さんとの勉強会の講師でした.19時から始まった事例検討会は,21時過ぎに終了.その後,いつも通り飲み会をしました.帰宅は,1時.その後,少し資料整理をして寝ました.本日は,一日病院勤務です.土曜日なので,予約面談が既にたくさん入っています.

さて,本日は,昨日の勉強会のフィードバックをしたいと思います.

事例:「サービス利用につなげる為にできることは何か」 利用者:Bさん(女性・50歳代・愛の手帳:3級・障害程度区分3)

高齢の両親と,妹との四人暮らし.両親は高齢で,父親は病気を患い,母親は身体的に問題はないが,障害を持つ娘二人と父親の看護・介護で疲れきっている.

本人は,ガイドヘルパーを利用して外出したいとよく言っている.

事例提供者は,母親がこの家族のキーパーソンであり,母親がいなくなってしまうと,この家庭の生活は崩壊してしまう恐れがあり,サービス利用を促し,母親のストレス等の負担を軽減したいと考える.また,一方で,Bさん自身のニーズでもあるガイドヘルパーの利用へとつなげていきたいが,母親から「今は家族の生活を保つだけで精一杯で,それ以上のことはできない」「疲れてできない」との訴えもあり,サービス導入ができないでいる.

以上のような事例でした.この事例は,とても有用で,学びどころの多い事例だと思いました.いつもどおり,参加者からのコメントをもらい,事例の核心に迫っていきました.話し合われた内容としては,①一時的にでも母親と子どもを引き離す支援.具体的には,短期入所などのサービスを利用してはどうだろうか,という意見や,②登録が済んでいるヘルパーステーションから働きかけてもらい,カラオケ(本人は大好き)などの企画ものの提案・参加や集団での企画の提案・参加をしてみてはどうだろうか,という意見,③母親自身がサービス利用をどのくらい理解しているかなどの,母親に関する情報収集などが話し合われました.どの視点もとても重要なものです.

そして,私の方から3つの論点を提示しました.①家族をシステムとして捉える視点,②母親のアセスメント,③サービス利用の弊害です.そして,以下のようなコメントをしました.

まず,①の家族をシステムとして捉える視点とは,Bさん単体,母親単体のニーズに対してそれぞれ対応していくのではなく,家族をシステムと捉え,家族内の相互関係性・相互作用性に着目し,その関係性を加味した,家族ニーズを探ることが重要であること.

②母親のアセスメントとは,母親自身の能力査定であり,ストレングスの査定です.具体的には,問題解決能力や問題対処能力,社会性や社交性(対人関係能力),情報収集能力,交渉力や契約行為等の遂行能力,サービスについては,サービス自体(種類や内容)を知らないのか,サービス自体は知っているがそれを有効に活用できないのかなどが挙げられます.

最後の③サービスの利用の弊害については,2つ挙げました.これは,1990年代以降,社会福祉基礎構造改革に伴うサービス利用方法の変化によって,措置制度から利用・契約制度に変換されることによって,新たに必要となったソーシャルワーカーの役割・機能といえるのではないでしょう.

それは,(1)サービス利用を促進するあるいは選択するための情報提供や利用促進のサポート,(2)適切な選択が遂行できるように保障する成年後見制度などの意志決定補佐制度を活用したサポートです.そして,ここで重要となってくるのが,②の母親のアセスメントです.このアセスメントによって,具体的なアプローチや対応方法が変わってきます.例えば,情報収集能力や情報処理能力を査定した場合, 情報収集能力が高いが,それを処理する能力が低い場合,ペーパーでたくさんの情報を短時間に提供する事はしません.必要なサービスをある程度整理したうえで提供していくことになります.また,渉外能力や交渉能力,コミュニケーション能力を査定した場合,これらの能力が低い場合は,例えば,申請・相談窓口にあらかじめ電話を入れておく配慮や,名詞やメモを添付して,スムースに申請や相談ができるように配慮しておきます.

手をとって,申請や相談窓口に一緒に足を運ぶだけが支援ではありません.相談者や利用者の能力を的確に把握することで,適切な量のサービス提供,支援ができるのです.

そして,最後に,この事例について,子どもが知的障害を持っている参加者から,『私は,母親の「疲れて何もできない」という言葉に,共感できました.私も同じだと思います.疲れているときは,外のサービスを受けるのが億劫になる.外に出さなくなります.それはなぜかというと,外に出すことで気も遣うし,外で何かあったらまたその対処で疲れてしまいます』と語ってくれました.これは,正直,私自身も発想できなかった視点です.そして,ある程度ケアプランやガイドヘルパーの企画などを提示してもらって,それを利用するか,しないかのYes or Noで選択することも時には重要だと語ってくれました.我々援助者は,どうしても,本人やご家族の意思や主体性の尊重といった視点から,訴えてくるニーズばかりに目がいきがちですが,外に出さない一つの要因に「疲れて何もできない」という言葉が関連していたことに,ハッと気づきました.「疲れてできない」は,とても重要で,重たいメッセージだったんですね.我々援助者は,「疲れてできない」からこそ,サービスを導入すると考えますが,本当に疲れきっている時は,サービスを利用する気力もないんですね.

簡単なまとめですが,とても有意義な時間でした.

*尚,上述のケースは,問題の本質を変えない範囲で修正・加工されています.

 『知的障害のことがよくわかる本』 支援の第一歩は,正しい理解から始まります. 基礎知識から社会支援まで

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生活保護制度~第一回講義

15 5 月, 2009 (08:24) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床. 昨日は,午前専門学校の講義をして,午後から病院勤務でした.病院勤務は,14時から18時まで休む暇なく,面談室,病室,カンファレンスルームを飛び回っていました.昨日は,ほぼ定時に帰り,資料整理や試料作成をしていました.

本日は,昨日の講義のお話を少しいたいと思います.昨日の講義では,「生活保護制度について」でした.社会福祉において,「貧困問題」は,昔も今も,大きなテーマとなっています.また,この貧困問題は,若年(齢)化しており,我々若い世代にとっても無関係な問題ではありません.以下紹介する書籍の著者岩田氏は,「貧困」は今に始まった問題でなく,戦後,その時代にもあったのだと強調する.経済成長下でも,バブル時代にだってあったという.が,今日は,この貧困はテーマにしません.

 『現代の貧困~ワーキングプア/ホームレス/生活保護』 岩田正美著

保育専門学校での講義なので,なぜ,保育士にこの生活保護の知識が必要なのかから伝えます.それは,保育所が児童福祉施設だからです.つまり,共働きをしていて,日中の養育ができない人もいれば,親が病弱で養育ができない人もいます.ひとり親家庭で,日中の養育ができない人もいます.また,年収も共働きをしている場合,二人の収入が1000万円を越える家庭もありますし,アルバイトやパートで,40,000円程度の収入の人もいます.勿論,様々な理由により仕事ができず収入がない人もいます.そういった意味では,保育所を利用する家庭に,生活保護を受給して生活する家庭もたくさんあります.

無知はとても怖いもので,わからないから接し方もわからず,無知が故の差別や偏見をしてしまうこともあります.我々援助者は,関わるのだからこそ,相手の状況や立場を適切に理解しておく必要があります.無知のまま関わることは,罪ですね.専門家による二次的・三次的被害を起こしてしまいます.

生活保護の目的を見てみると,「日本国憲法第25条の生存権保障の理念に基づいて,生活に困窮する全ての国民の最低限度の生活を保障し,その自立の助長をはかる」とされています.では,日本国憲法25条とは,何か.これは,国民の生存権と,これについて国が保障することを謳ったものです.

憲法25条第1項では,「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とされ,同条第2項では,「国は,全ての生活部面において,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」としています.この条項を具体化するために誕生したのが「生活保護法:1950(昭和25)年」です.

ここまででわかることは,生活保護の目的は,①国民の生存権保障,②自立の助長の二つの意味合いを持っているということです.つまり,「健康で文化的な最低限度の生活」を,「国」が保障することであり,ただし,生活保護を受給する状態になった人々も,また再び,自立(自活)した生活が送れるように自立支援をすることです.

生活保護をイメージだけで捉えていた人は,生活保護の目的には,二つの視点があることを理解しておくといいと思います.生活保護第二回講義では,生活保護の原理と原則について,お話したいと思います.第三回講義は,生活保護の種類と内容についてお話したいと思いますので,しばらくおまちください.

本日は,一日病院勤務.その後,知的障害者作業所の職員の事例検討会(勉強会)の講師です.

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苦しみ以上の感動~ナラティブ・アプローチ

14 5 月, 2009 (07:42) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日6時起床. 午前専門学校の講義.午後から病院での勤務となります.木曜日.週の後半戦が始まりました.

今日は,病院で,担当している二人の患者様の入院と,一人の患者様の退院があります.

少しお話しすると,入院してくる二人の患者様は,1ケースは,40歳以下の脳卒中後の方です.キーパーソンは,ご両親です.とても若い脳卒中のケースです.もうひとつのケースは,脳卒中後の男性で,現役中のだったため,労災が適応されているケースです.この労災認定に関しては,妻が一生懸命働きかけて,認定されました.が,その奥様自身が,癌で亡くなってしまい,患者様自身はお一人になってしまいました.現在のキーパーソンは後見人になっています.

退院のケースに関しては,複数の医療的処置を必要とする方の退院です.退院前調整として,地域の訪問看護ステーションや,ケアマネジャーと書類や電話での連絡を密にして,本人やご家族の不安を一つひとつ解消していったケースです.本人とは,昨日,エンディングの面接を行いました.数十分の面接ですが,不安に関する聞き取りと,その不安の要素については,具体的に解消していることを確認しました.あと,もし何かあれば,いつでも連絡が取れる体制があることを確認しました.

このように,一つひとつのケースに,それぞれのドラマがあります.詳細を書くことはできませんが,上述してこと以外にも,もっとストーリ(物語)やドラマがあります.

我々ソーシャルワーカーは,とても大変な仕事ですが,このように患者様やご家族と,人間的なかかわりを持ち,その人々の「生活」といった視点に立ち支援を行っていく仕事です.とても,中身の濃い仕事だと思います.苦しみもありますが,それ以上に感動も大きな仕事です.

 『物語としてのケア~ナラティブ・アプローチの世界へ』 野口裕二著 お薦めします.現代のソーシャルワーカーにとって,必要なアプローチのひとつに「ナラティブ・アプローチ」があります.この本は,その基礎的な概念や考え方を伝えるものです.具体的な面接技法などは書かれていますが,ナラティブの考え方を整理するためにはとてもわかりやすい本です.ソーシャルワーカーには必読の本です.

*尚,上述のケースは,問題の本質を変えない範囲で修正・加工されています.

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施設選び~ファーストインプレッションが大切

13 5 月, 2009 (08:24) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書 | No comments

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本日5時起床.今週は何となく,時間が早く感じます.それだけ多忙,充実しているからでしょうか?本日は,一日病院勤務のあと,夜間に専門学校の講義があります.水曜日の講義は,4/29「昭和の日」,5/6「振替休日」ということで,二週間講義がありませんでした.久しぶりの講義です.

今日は,有料老人ホームの話をしたいと思います.昨日,某有料老人ホームの営業の方とお話をする機会がありました.その方は,月に一度必ず最新の情報と,不足した施設パンフレットを持参して,当院に来てくれます.この施設以外にも,たくさんの有料老人ホームの営業の方が,当院にお越しいただいています.予約をしてきていただければ,立ち話でも,お話はしっかり聴いています.アポイントメントがない場合は,殆ど,お逢いすることができないか,30分以上お待たせしてしまいます.

どの病院の医療福祉相談室にも,有料老人ホームの営業の方はいかれると思いますが,当院は,有料老人ホームを利用される患者様・ご家族がとても多いことや,ソーシャルワーカーの私は,有料老人ホームを退院先の有力な社会資源ととらえてこと,もありたくさんの有料老人ホームの方が営業に来てくれます.そして,常に最新の情報を持参してくれています.

病院のソーシャルワーカーによっては,あまり有料老人ホームを紹介しなかったり,したとしても余り細かい情報提供はせず「有料老人ホーム紹介センター」みたいな感じのところを紹介する方も多いです.

私も,「どこの施設がいい」とか,「どこの施設が悪い」とかは,一切いません.しかし,施設の立地や雰囲気,特徴,介護や看護体制,医療体制,費用,経営母体などについては,面接の際,情報提供しています.その後,施設は,有料老人ホームだけではく,特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)だって,老人保健施設(介護老人保健施設)だって同じですが,私の「よい」と,ご家族やご本人の「よい」の基準は違います.価値観も違います.そういった意味では,必ず見学をいて,先方の担当者と対話をすることを薦めています.そして,施設を見るポイントを伝授します.

●ファーストインプレッションは大切●

と,いつもいいます.例えは,見学予約の時の電話の対応や,施設に入った瞬間の雰囲気,中で働く職員のあいさつや取り組み姿勢,そして利用者の顔や服装などは,とても大切なチェックポイントです.その他にも,建物の新旧はどうしようもないことですが,それを綺麗に,清潔に使っているか,が重要です.新しい施設でも各所にほころびがある施設もありますし,古い施設でも丁寧に使用している施設もあります.

さらに,五感を使って観察することを薦めています.光,音,香り(におい)もとても大切な要素になってきます.

現在,雑誌や新聞などで特集が組まれたりしています.ランキングみたいなものもありますが,あれはあてになりません.なぜか.それは,先ほどもいったように「よい」の価値観が違うからです.ランキングも複数項目の総合点で決められています.これは,普遍化・一般化・標準化して,「よい」「わるい」を決めていますが,福祉の大原則は,「個別化」です・そのため,施設の「よい」「わるい」も個人によって違いますし,介護サービスの種類も選択される施設も違ってきます.

なので,まじめな方ほど,雑誌や新聞の報道に左右される方が多い.気をつけて欲しいと思います.福祉の専門家でない人々が書く記事もたくさんありますので・・・

私は,以上のように有料老人ホームや他施設を紹介するとき,お話をしています.そのため,当院の有料老人ホームの入居率は,とても高いです.

あともうひとつ,有料老人ホームは「高い」というイメージも,イメージが先行していることで,個室化やユニット化が進む介護保険施設と比べても,月額の利用料が変わらない有料老人ホームもたくさんあります.

が,この点については,またの機会にお話したいと思います.

  左:『「五感力」を育てる』,右:『五感力を育てるワークブック』 ソーシャルワーカーにとって,この五感力はとても大切です.福祉援助者は,是非,この五感力を育てて欲しいです.

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相手の立場に立った言動とは

12 5 月, 2009 (08:19) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書, 東京学芸大学 | No comments

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本日5時起床.どんより曇り空です.昨日は,午前病院でソーシャルワークをして,午後は学芸大で講義でした.で,夜は,自宅で資料整理.ま~いつもと余り変わらない一日でした.が,昨晩は,昨日のブログでも話題にした,カレーライスを食べました.やはり,カレーライスは,魔法のような食べ物ですね.カレーライス一杯でお腹いっぱいになりますし・・これに,サラダをつけたので,バランスもまずまずかと思います.毎日食べる食事って,献立がどうしても偏ってしまいませんか?

今日は,ソーシャルワークのちょっとした場面を紹介したいと思います.今,後輩のソーシャルワーカーには,私の面接を見てもらいながら,少しずつ仕事やソーシャルワークを理解してもらっています.また,私の面接の日程調整を全面的に委託しています.そのため,いつどのタイミングで,どのような目的で・・を明確にして,適切な日程調整をしてもらっています.

しかし,うまく日程調整ができないケースがあると,相談を受けました.兄弟間の関係は,「必要なときは動くが,それ以外は関係ない」と,いった関係性.キーパーソンの弟さんに来院(来談)してもらいたいが,話し半ばで,「はいはい,調整します」と言って電話を切られてしまうといいます.

そこで,どのように電話をしてみたかを聴いてみると,前回面談をして,今回は二回目の面談であること,日程は,弟さんの都合に合わせることを伝えたといいます.勿論,彼女の電話態度は,いたってまじめです.では,なぜその真意が通じないのか・・

私は,自分の要望や提案をする前に,必ず相手の今までやってきたことを労うことが重要ではないかと,アドバイスしました.つまり,必ずしも良好ではない兄弟の関係性がある中で,以前面接に来てくれたこと,その直後に施設見学に行ってくれたこと,施設から入居に必要な提出書類を持参してくれたこと等をまずは労うべきではないかと,助言しました.

私は,第一回目の面接で,弟さんと契約(インテーク・エンゲージメント)したことは,弟さんは,重要なキーパーソンで,弟さんがいなければこのケースが動いていかないことを伝え,一緒に協働していくことを確認しました.ややこしい手続きや細かい施設の情報は,最大限私が提供するので,要点で協力して欲しいことを確認しました.これについては,弟さんも承諾してくれています.第一回目の面接の際も,面接当初,何を言われるのか,無理なことを言われるのではないかと,いう心境から弟さんは,ディフェンス(守り)気味でしたが,この契約を機に積極的に,面接や話に参加してくれるようになりました.

その後,電話でのアポイントメントは,勿論,快諾.日程も決まりました.

ソーシャルワークに重要なことは,相手の立場に立って,必要な言葉かけは何か,必要な支持は何かを常に考えながら言動することです.先ほどのケースで言えば,弟さんは,単なる事務的な使いぱしりなのか,大切な相談者なのか・・,その言葉かけで,相手は感じるものです.

以上,ソーシャルワークの1コマでした.そして,これは,注意や指摘ではなく,伝承作業です.教科書やテキストに書いていない実体験に基づく,現場でのやり取りです.勿論ケースやクライエント(利用者)が違えば,まったく違うアプローチをします.

*尚,上述のケースは,問題の本質を変えない範囲で修正・加工されています.

 『対人関係のための相談面接技法~逐語で学ぶ21の技法』 岩間伸之著 岩間先生は,ソーシャルワーク分野で有名な先生です.本書では,アイコンタクトを活用する,うなずく,相づちを打つ,沈黙を活用する,開かれた質問をする,閉じられた質問をする,繰り返す,言い換える(関心・展開・気づき),要約する,矛盾を指摘する,解釈する,話題を修正する,感情表出をうながす,感情を表情で返す,感情表現を繰り返す,感情表現を言い換える,現在の感情を言葉で返す,過去の感情を言葉で返す,アンビバレントな感情を取り扱う,を取り上げそれぞれ丁寧に解説しています.面接技法に磨きをかけたい方は,必読の一冊です!

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