相手の立場に立った言動とは
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本日5時起床.どんより曇り空です.昨日は,午前病院でソーシャルワークをして,午後は学芸大で講義でした.で,夜は,自宅で資料整理.ま~いつもと余り変わらない一日でした.が,昨晩は,昨日のブログでも話題にした,カレーライスを食べました.やはり,カレーライスは,魔法のような食べ物ですね.カレーライス一杯でお腹いっぱいになりますし・・これに,サラダをつけたので,バランスもまずまずかと思います.毎日食べる食事って,献立がどうしても偏ってしまいませんか?
今日は,ソーシャルワークのちょっとした場面を紹介したいと思います.今,後輩のソーシャルワーカーには,私の面接を見てもらいながら,少しずつ仕事やソーシャルワークを理解してもらっています.また,私の面接の日程調整を全面的に委託しています.そのため,いつどのタイミングで,どのような目的で・・を明確にして,適切な日程調整をしてもらっています.
しかし,うまく日程調整ができないケースがあると,相談を受けました.兄弟間の関係は,「必要なときは動くが,それ以外は関係ない」と,いった関係性.キーパーソンの弟さんに来院(来談)してもらいたいが,話し半ばで,「はいはい,調整します」と言って電話を切られてしまうといいます.
そこで,どのように電話をしてみたかを聴いてみると,前回面談をして,今回は二回目の面談であること,日程は,弟さんの都合に合わせることを伝えたといいます.勿論,彼女の電話態度は,いたってまじめです.では,なぜその真意が通じないのか・・
私は,自分の要望や提案をする前に,必ず相手の今までやってきたことを労うことが重要ではないかと,アドバイスしました.つまり,必ずしも良好ではない兄弟の関係性がある中で,以前面接に来てくれたこと,その直後に施設見学に行ってくれたこと,施設から入居に必要な提出書類を持参してくれたこと等をまずは労うべきではないかと,助言しました.
私は,第一回目の面接で,弟さんと契約(インテーク・エンゲージメント)したことは,弟さんは,重要なキーパーソンで,弟さんがいなければこのケースが動いていかないことを伝え,一緒に協働していくことを確認しました.ややこしい手続きや細かい施設の情報は,最大限私が提供するので,要点で協力して欲しいことを確認しました.これについては,弟さんも承諾してくれています.第一回目の面接の際も,面接当初,何を言われるのか,無理なことを言われるのではないかと,いう心境から弟さんは,ディフェンス(守り)気味でしたが,この契約を機に積極的に,面接や話に参加してくれるようになりました.
その後,電話でのアポイントメントは,勿論,快諾.日程も決まりました.
ソーシャルワークに重要なことは,相手の立場に立って,必要な言葉かけは何か,必要な支持は何かを常に考えながら言動することです.先ほどのケースで言えば,弟さんは,単なる事務的な使いぱしりなのか,大切な相談者なのか・・,その言葉かけで,相手は感じるものです.
以上,ソーシャルワークの1コマでした.そして,これは,注意や指摘ではなく,伝承作業です.教科書やテキストに書いていない実体験に基づく,現場でのやり取りです.勿論ケースやクライエント(利用者)が違えば,まったく違うアプローチをします.
*尚,上述のケースは,問題の本質を変えない範囲で修正・加工されています.
『対人関係のための相談面接技法~逐語で学ぶ21の技法』 岩間伸之著 岩間先生は,ソーシャルワーク分野で有名な先生です.本書では,アイコンタクトを活用する,うなずく,相づちを打つ,沈黙を活用する,開かれた質問をする,閉じられた質問をする,繰り返す,言い換える(関心・展開・気づき),要約する,矛盾を指摘する,解釈する,話題を修正する,感情表出をうながす,感情を表情で返す,感情表現を繰り返す,感情表現を言い換える,現在の感情を言葉で返す,過去の感情を言葉で返す,アンビバレントな感情を取り扱う,を取り上げそれぞれ丁寧に解説しています.面接技法に磨きをかけたい方は,必読の一冊です!
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