死を考えるとは,生きることを考えること part2
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シトシトと雨が降り続いています.入梅でしょうかね.
今週はずーっと雨の予報ですね.
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さて,土曜日のブログ『死を考えることは,生きることを考えること』ですが,ブログメイルでの反響がとても多かったので,少しコメントをしたいと思います.
『死を考えるとは,生きることを考えること(2010/6/12)』:http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=896
ブログメイルを送ってくださった方々,どうもありがとうございます.勇気付けられると同時に,自分が出来ることを精一杯やりたいと思いました.ありがとうございます.
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病院という場所は,死と生が生々しく混在する場所です.よく,医師や看護師,我々医療従事者は「死」に慣れてしまうって,一般的には,よくいわれますが・・・,そんなことはありません.
医師をはじめ看護師,我々医療従事者は,患者さんや御家族の前ではその苦悩や葛藤を表出することはありませんが,「これでいいのか」って反芻しながら支援をしています.
看護師も,ただただ何もできず,死を支援することに大きなストレスやショックを感じるものです.そのため,入院受け入れの際に,医師と,病棟内の入院患者とターミナル患者の割合に配慮しながら入院を決定します.すべての方を入院させてあげたいのですが,感情のみで受け入れ,適切な支援が出来ないのは,患者さんにとっても,家族にとっても,我々医療従事者にとっても,望むところではありません.
病院やスタッフのキャパシティーや限界性をよく理解しながら,入院の判定もしていきます.
事実,自分が夜勤の時,患者さんが亡くなってしまい,責任はないのですが,責任を感じ仕事を辞めたり,数カ月仕事ができなくなってしまう看護師もたくさんいます.
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しかし,家族からすると,我々医療従事者はクールに見えてしまうのかもしれませんが,それは役割の問題であって,本当は,家族の前で一緒に泪を流したいものです.が,それは訓練を受けているので・・・ いま自分がしなければいけないことを最優先に考えます.勿論,立ち止まって,ただただ患者さんやご家族の言葉に耳を傾けるだけの支援をすることもあります.
以前,ブログでもお話しましたが,一歩離れて客観的に現状を把握することが重要なので・・・ その場の感情に流されるようなことはしません.が・・・,心の中では葛藤しています.
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ターミナルのケースに関しては,ココロとココロのつながりってとても大切なので,患者さんや御家族に対する傾聴や共感もとても大切だと思います.しかし,これだけでは,支援とはいえません.
現実的な問題もたくさんあります.例えば,適切な病状説明やインフォームドコンセントの必要性や,介護・看護方法に対する具体的な手技や方法に関する知識・技術の伝達,家族看護・介護をサポートする在宅サービスや医療・福祉サービスの提供,療養に関する経済的問題などなど・・・ たくさんあります.
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先日,大学院の時の友人と食事をした時の話ですが・・・
彼は名古屋のがん拠点病院のソーシャルワーカーをしているのですが,そのがん医療に関する研修会で東京に来ていました.で,食事をしたんですね.
その時,がん医療におけるソーシャルワーカーの専門性とは何か? と苦悩しているといいます.目に見えやすい支援で言うと,病棟から必ず依頼が来るのは,経済的問題だといいます.勿論,この経済的問題に関する支援も上述しましたが,とても重要な支援となります.
が,それだけなのか.
私は,ちょっとコメントしたのは,家族システム,治療チーム(システム)を意識化して,患者さん・ご家族のニーズを多面的に理解し,それを包括的に支援する役割があるのではないか,と提言しました.
医師や看護師がおこなう同様の行為に潜む理論というか,理念というか,思考や理解の方法に専門性や独自性があるのではないかと考えています.例えば,トレーニングをしているので,がん医療に携わる医療従事者の殆どは存在する社会資源をよく理解しています.
が,その社会資源とのネットワーキングの方法や活用方法は,各専門職によって違ってくるでしょう.
その違いこそが,専門性であり,独自性だと思います.
ただ,そういった違いをも理解しながら包括的に支援していくことが重要だと思っています.
と,ちょっと話が逸れてしまいましたし,ちょっと言葉が足りず,もう少し書きたいところですが,この辺にしておきます.
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つまり,ターミナル・ケアとは,寄り添う強さが必要なのだと思います.その上で,各専門職の持つ知識や技術を集積し,最大の力を発揮し,支援をしていくことが重要だと思います.
そして,一つひとつに出逢いに感謝し,一つひとつのエピソードを大切にし,一挙一動を意識化し,繊細でありたいと思いました.
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ブログメイルを頂いた方の中に,両親や兄弟(姉妹),友人を癌でなくされた方もたくさんいらっしゃいました.その時の病院の対応を細かく説明してくださった方もいらっしゃいました.中々病院と上手にコミュニケーションが取れず苦悩した方もいらっしゃいました.我々のような医療ソーシャルワーカーを活用して病院とのコミュニケーションが改善し安らかな最期を送られたという方もいらっしゃいました.書ききれないくらいの想いがありました.
ありがとうございます.
そして,僭越ですが,すべての方々のご冥福をお祈りいたします.
この本は大切な人を亡くした方には是非読んでもらいたい本です.
先日もご紹介しましたが,これもいい本です.写真と詩集です.
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