働く幸せ~事例検討会&勉強会の報告
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本日は,昨晩行いました勉強会の報告をしたいと思います.
が,一言だけ言わしてください.言わないと,ココロが折れそう…
「さ・む・い」 どうにかしてください.寒いの大嫌いなんです.東京は,霙(みぞれ)です.
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さて,愚痴ったところで昨日の勉強会の事例をお話したいと思います.
昨日行った事例は,約一年前に一度行った事例を再検討しました.
クライエント(利用者)は,Aさん(男性:30歳代) 愛の手帳3度,区分認定2です.
前回の事例に関しては,こちらをご覧ください>>http://tsuyukis-support.sakura.ne.jp/?p=405
前回の論点としては,
①個人と集団,個人のニーズと集団のニーズ(集団の中の個人のニーズ)
②役割(社会や集団での役割について)
③Aさんの居場所やAさんや他の利用者の環境の保障
④援助者が思い描くような「能力」ではなく,もう少し高い能力を持ち合わせているのではないか.集団を利用しながら徐々似拡大,発揮できるように支援することの重要性
⑤Aさん自身,他者との関わりを持ちたいが,相手にされないことや,どのように他者と関係を保ったらいいのかわからず苦しんでいるのではないか.
⑥母親に対して「Aくんの出来たことをちゃんと評価したこと」を伝えていくこと.
などなどを話し合いました.
◆
そして,今回は,事例タイトルとしては,『仕事に意識を向けるための支援とは・・・』と言うタイトルで,Aさんの仕事に対しての意欲や集中力をどのように保ったらいいのかを主に検討しました.
結論からお話しすると,Aさんは,一年前の事例検討から見て,あまり変化していないか・・若しくは若干状態(状況)は悪化していました.
仕事などが嫌いで,作業時間の1/3位はずーーとトイレに篭っている状況です.
そこで,事例提供者でもある援助者が色々と工夫をして,「仕事をやること」そして,それから得られる「達成感」を味わって欲しいと,試行錯誤していました.
具体的には,ランチやおやつ休憩,終業などの声かけがあると,トイレから出てきます.その時に,他の利用者さんとの関係性という視点や,上述のAさん本人の「仕事をやること」「達成感」と言う視点からも,援助者とAさんが向かい合って,「Aさんの仕事少し残ってますよ.一緒にやりましょう」など声をかけて促します.
調子が悪い時は,提示した量を半分にしたり,「明日はやろうね」と促したり,工夫をして対応をしています.
そのほかにも様々な工夫をしています.
ですが,事例提供者の方は,この支援がもしかしたらAさんを追い詰めているのではないかと考え,不安に思っていると言います.
そこで,フロアーの方,お一人おひとりにコメントを求めました.勿論,皆,対応方法についてはまったく問題ないと助言してくれました.ただしかし,やはりフロアーの方も,自分自身の支援を振り返り,確かに,「追い詰めてないか」と言うことは,常に感じながら支援をしていると,言います.
私からの助言としては,このままこの対応は続けていっていいのではないかと,お話しました.更に,もしこの「やり方」がAさんを追い詰めてしまうようであれば,就労継続B型から生活介護などへの移行も検討する必要があると助言しました.
そのためには,今の障害区分を適切な区分に見直さなければなりません.事実,このAさんを知る援助者皆,少なくても区分3~4位だと査定しています.
ではなぜ,適切な区分が付いていないかと言うと… 母親の抵抗があるようです.どのような抵抗かと言いますと・・・
障害の程度が重くなるのが嫌だと言うより,「今の作業所にいけなくなってしまうのではないか」とか,「生活『介護』という,『介護』と言う言葉に対してネガティブなイメージ」があるようです.
これについては,丁寧に説明をする必要があります.
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そして,では前回の事例検討をした後と今の一年間で変化したことは何かを確認しました.
二点ありました.
一点は,この事例検討をしたことによって,職員の意識が変化したこと.事例提供者に関しては自信を持って接することが出来ているという他者からの評価をもらいました.
二点目は,母親との関係性が徐々にですが,形成されていると言うことです.連絡帳などに,今まで「できなかったこと」「失敗したこと」ばかりを書いていた為,母親は自暴自棄になっていたと言います.それが,「できたこと」をちゃんと伝えることによって,母親からもポジティブな反応が帰ってくるようになったといいます.母親との関係性の形成はまだまだ時間がかかるかと思いますが,大きな前進だと思います.
今後は,やはりこの母親をうまく活用して,適切な障害区分と,本人の居場所作りを一緒に検討していくことが重要だと思います.
以上,雑駁ですが事例&勉強会の報告でした.
『働く幸せ~仕事で一番大切なこと』 とてもいい本です.特に学生さんにお薦めです.あと障害者支援をしている新人の職員さんも読んでみてください.
今後ともよろしくお願いいたします.チューリップ&蝶にワンクリック.情熱ブログの順位が分かります ⇒
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