第22回社会福祉士合格発表

16 3 月, 2010 (08:36) | コラム(介護・福祉・医療), 東京学芸大学, 講義・公演・講習

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昨日,社会福祉士・精神保健福祉士の合格発表があります.本日は,その話をしたいと思います.

今回の試験は,社会福祉士は第22回,精神保健福祉士は第12回でした.

主に社会福祉士についてお話をしたいと思います.

受験者数は,43,631人で,合格者11,989人.合格率は,27.5%でした.昨年より合格率は,2%程度落ちています.現在社会福祉士の累積合格者は,12万人を超しています.

気になる合格の基準ですが,一問一点として,満点が150点です.これに対し84点以上が合格でした.昨年より点数では下がりました.約10点近く下がりました.あとは,全18科目の各科目で点数があることが条件でしたので,18科目の中で,一科目でも0点があると不合格になっています.

また,不適切問題が2問あり,その2問は全員正解(得点)扱いとなりました.

以上が,試験センターから公表されている情報です.

詳細はこちら>> 社会福祉振興・試験センター:http://www.sssc.or.jp/index_1.html

私の感想としては,合格点がとても低いように感じました.が,合格率は昨年より悪かったので,受験された方の多くの方は難しく感じたり,新しい試験の形式などに対応できなかった方が多かったのではないでしょうか.

試験問題の詳細の講評については,「けあサポ」でお話していますので,こちらをご覧ください.

簡単にまとめてみると,午前の科目については,昨年同様,○×の組み合わせや,正しいものの組み合わせといった形式での出題はなくなり,正誤問題のみとなりました.もうこの形式で出題はなくなりそうですね.つまり,「うろ覚え」では,今回の問題も解けなかったということです.そういった意味で,曖昧な知識では正確な解答が導けず,解答に迷った人も多かったのではないでしょうか.やはり,受験年度の4月くらいから福祉用語集などを利用して用語の正しい理解は進めていったほうがよさそうです.

今回の試験は,昨年と変わり,新カリキュラム・新出題基準で行われた初めての試験だったので,受験者にとって大きなストレスだったと思います.そのため,試験時にいかに冷静になれたか,いかに問題全体の状況を的確に,瞬時に捉えられたかが,合否に大きく影響したのだと思います.しかし,やはり,実際の試験では,個人差はありますが多少の混乱はあったようですね.

次に,午後の科目について,整理してみたいと思いますが,午後も,午前同様に,○×の組み合わせや,正しいものの組み合わせといった形式での出題はなくなり,正誤問題のみとなりました.

例年のことですが,午前中の共通科目よりも午後の専門科目のほうが得点できたと言う人が多かったです.実際に私の周りでも,このブログメイルに頂くメイルでも,学生さんに聞いてみても,午後の科目のほうができたという感想が多いようでした.そして,事実,今回の試験では,午後科目に救われたという方も多かったようです.

午後の科目で昨年と大きく変わったのが,「相談援助の基盤と専門職」「相談援助の理論と方法」の出題のされ方です.昨年までは,「社会福祉援助技術」として30問出題されてきましたが,今回からは「相談援助の基盤と専門職」で7問,「相談援助の理論と方法」で21問出題され,そのなかでも事例問題の形式が大きく変更されました.

図表 社会福祉援助技術(30問) ⇒ 相談援助の基盤と専門職(7問) + 相談援助の理論と方法(21問) 計28問 

また,事例問題は,前回まで,「社会福祉援助技術」で,長文の事例が6事例出題され,各事例について3問ずつの設問がありました(事例問題で18点).「老人福祉論」,「児童福祉論」,「児童福祉論」は,各事例が1事例出題され,各事例について3問ずつの設問出題されていました.

しかし,今回の事例では,短文の事例問題のみで,長文を読ませる事例はなくなりました.この傾向は,「高齢者に対する支援と介護保険制度(旧「老人福祉論」)」,「障害者に対する支援と障害者自立支援制度(旧「障害者福祉論」)」,「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(旧「児童福祉論」)」も同様でした.

「相談援助の理論と方法」の事例問題を見てみると,

具体的な内容としては,問題93が家庭児童相談室の事例,問題94が障害者相談支援事業に関する事例,問題96が母子生活支援施設の事例,問題103が特別養護老人ホームの事例,問題105が総合病院の医療相談室の事例,問題108が児童養護施設の事例,問題110が医療機関の医療相談室の事例でした.そのほか,事例問題ではないものの短文による場面状況を読んで解答する(実践場面における社会福祉士の判断を問う)問題や,その状況に応じた適切な対応や声かけ,関わりなどを選択する問題が出題されていたのが特徴的でした.

以上,雑駁ですが,社会福祉士の合格発表に関してのコメントでした.

合格した人も,そうでなかった人も,一先ずお疲れ様でした.

当日の様々な状況・条件で,1点や,2点なんて落としてしまうものです.でも,結果は結果なので,その結果を真摯に受け止めると共に,来年度の試験に向けて,今日から出来ることを考え見てください.

毎年,1,2点に泣いている人は何千人っているんですよ.でも,その1,2点がとても重要です.今度の試験では,1,2点で落ちてしまわないくらい得点できる勉強をして置いてください.先ほどもいいましたが,当日の状況や条件で,1,2点なんて簡単に落としてしまうものですから…

今からコツコツとはじめていけば,途轍もない力になります.是非,明日といわず,今日からはじめましょう.そして,新しい受験本は買わないこと.これから今年の試験を基に分析されたものが出版されますので,今は,先ほども言いましたが,用語を正確に理解しておくことが大切です.

介護福祉士の合格発表は,3月31日ですので,もう少しお待ちくださいね.

今後ともよろしくお願いいたします.桜の木にワンクリック.情熱ブログの順位が分かります ⇒ 人気ブログランキングへ

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