スーパービジョン~プランニングを考える

17 3 月, 2010 (08:14) | コラム(介護・福祉・医療)

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うちの相談室では,プランニングとアセスメントって,とても大切にしているんですね.何度かお話したかもしれませんが,ソーシャルワーカーの支援や援助は,常に意図的で,根拠を持っているべきです.そうでなければ,ソーシャルワークとは言えません.

さて,今日はプランニングについて少しお話をしたいと思います.

先ほどもお話しましたが,我が医療福祉相談室では,常に最新のプランを作成し,必要に応じて修正を行い,このプランに基づき具体的な介入を行っています.

昨日,後輩ワーカーが,クライエントのご家族と,ベラベラと多弁に話しているんです.そのやり取りを少し観察をしていました.

クライエントの能力などをアセスメントし,それを根拠にプランニングしていたのですが・・ プランに無いことをはじめたんです.厳密には,このタイミングで行うものでなく,あと1週後くらいに今の課題が片付いてから取り掛かる課題を話し始めたのです.

次第に,クライエントは,不安になります.色々質問をしてきます.

そんな中,更に後輩ワーカーは,ソーシャルワーカーのプランニングを事細かに説明し始めたのです.「退院日はいつを目標としているので,いついつまでに,○○をやるとか」説明しだしたんです.

勿論,この説明に,家族の不安は増大するのです.

面接の終結時には,ある程度,修正して終了をしたのですが,その後以下のようなスーパービジョンを行いました.

◆◆◆

まず,当たり前ですが,何の為にプランニングしているのか? ということです.冷静な時に,アセスメントを基に緻密に計画したプランニングを無視して,急に次の課題まで話をしてしまう.しかも,アセスメントで,そのクライエントの能力として,一つひとつショート・ゴール(我が相談室では,タスクと言っていますが)を設定し,段階的に進めていく必要があるとアセスメントしているにも関わらずに…

また,万が一,クライエントが今の課題が半ばなのに,次の課題に取り組もうとした場合は,ソーシャルワーカーが,「○○さんが今取り組む課題は,○○ですよね.まずこれをしっかりやりましょう.△△(次の課題)については,まだ手をつけなくても大丈夫です.必要な時,お声かけします」などの対応をとります.

更に,ソーシャルワーカーが設定したプランニングを全部話してしまうことですが・・ 勿論,プランニングをはじめとするソーシャルワーク・プロセスは,基本的にクライエントと共同してします.が,今回の場合は,クライエントが混乱期にあるため,詳細なプランや退院日をすべて話してしまうことは更なる混乱を招きます(大きな目標ややらなければいけない課題については,前回の面接で既に共有できています).

特に,今回は,退院日を言語化したことが,クライエントの不安を増大させました.クライエントも,前回の面接で,大まかな退院日は承知していますが,今やっていることが正しい取り組みなのかが不安なのです.クライエントは,それをサポートして欲しいのに,ソーシャルワーカー自身が安心する為に,自分の作成したプランが順調にいっているということを確かめる為に,自分の不安のコントロールのために,それを言語化してしまっています.

我々も,初めての道は誰でも不安でしょう.その走ったことない道を,先人(ここでは,ソーシャルワーカー)が,この道はこうだとか,ここが危険だとか不安を感じている時に言われれば,不安が増大するでしょう.

特に,既に走り出している現状で,この先はどうだ,こうだ,と言われても.それより,今必要な具体的に取り組まなければいけない問題を共有したほうが安心ですよね.

ケースをたくさんやると,同じようなケースに遭遇するため,ソーシャルワークの個別化の原則を忘れ,画一化されたマニュアルのようなサービスを適応してみたり,クライエント自身はもちろん初めての経験なのに,ソーシャルワーカーの根拠のない自信から「大丈夫,大丈夫」と,無理に牽引していったり,することもあるのではないでしょうか?

しかし,ここには大きな倫理的違反が存在しています.

もう一度,個別化の原則の点検と,ソーシャルワーカーである自分自身の理解や覚知を行い,自己点検を進めることが重要ですよね.

今後ともよろしくお願いいたします.桜の木にワンクリック.情熱ブログの順位が分かります ⇒ 人気ブログランキングへ

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