待つわ
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ソーシャルワーカーが,クライエントやキーパーソン(以下キーパーソンとの記述は除き,クライエントに包括する)のことを信じ,「待つこと」は多々あります.勿論,しっかりアセスメントをした上で,この人なら必ず出来る,と信じた場合です.
それでも,裏切られることはあります.
その時,アセスメントが甘かったのか? クライエントが動けるような十分な情報提供を行ったのではないか? クライエントのみに何かがあったのではないか? クライエントの能力を超えていたのではないか? クライエントに過度の期待をしていたのではないか? クライエントに過度の負担をかけていたのではないか? ・・・
などを検討するものです.
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私たち,ソーシャルワーカーは,キーパーソンを設定する時,その人の能力を多面的に評価します.年齢や性別,疾患,既往歴,職歴,家族歴,生活歴,ストレングスなどなど,多面的に評価し,そのキーパーソンが,問題解決のために十分機能するかを評価していきます.
しかし,時に,キーパーソンが一人しかいない場合は,その人頼みなのですが,こういう場合困ることも多々あります.何とか,そのキーパーソンのモチベーション維持や不足した能力の補填(補助)などを支援して,ケースに参加してもらえるよう働きかけます.
また,このキーパーソンでは十分機能したいと判断した場合は,他の支援者を探したり,立てたり,専門家に介在してもらったりします.ある種,ニーズなどを十分に聴き,問題を共有した上で,ある種ソーシャルワーカーが牽引者となって,ケースを動かすこともあります.
勿論,ソーシャルワークの大原則は,クライエント主体なのですが・・
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また,このような場合は,アセスメントとプランニングを常に修正してケースを進めていきます.特に,プランニングに関しては,かなり緻密に,具体的に作成していきます.
医療ソーシャルワーカーのケース終了は,ソーシャルワーカーの組み立てられたプランニングによるものと,あらかじめ「医療法」や「診療報酬」で定められた入院日数が,イコールソーシャルワークの終結の場合もあります.
そのため,一日の中で,同時に複数の課題(問題)を解決していかなければいけない場合もあります.
例えば,十分な面接は短時間に複数回繰り返しますが,今週で施設見学(勿論,同時にソーシャルワーカー面談を組みます)をし,来週の面接で,施設決定,再来週に施設面談・入居といったようなスケジューリングをします.
最初の一週間は,各施設見学後,毎回ソーシャルワーカー面談をする場合もあります.二週目の施設決定をする面談については,1回の面談ではなく,3回くらいの面談を行って結論を出す場合もあります.
これは,先ほども述べましたが,アセスメントに基づいて作成されたプランニングによってすべて管理されています.面接の内容では,元々建てていたプランニングを変更し,面接回数を減らしたり,増やしたり,見学の時間を延ばしたり・・します.
そして,面接の後は,「待つ」しかないんですよね.
その人を信じて,「待つ」しか.
『「待つ」ということ』 鷲田清一 私が好きな哲学者の一人です.この先生の本はどれも素晴らしい.是非一読してみてください.あまり私個人の見解を述べるより,この本の紹介文をそのまま掲載しておきます.
【内容紹介】ひとは自分の生をどう生きてきたか。「待つ」ことから探る哲学的断章。
現代は待たなくてよい社会、待つことができない社会になった。現代社会に欠落しはじめた「待つ」という行為や感覚の現象学的な考察から、生きること、生きていることの意味に分け入る。臨床哲学の視点からの認識論。
【BOOKデータ】現代は、待たなくてよい社会、待つことができない社会になった。私たちは、意のままにならないもの、どうしようもないもの、じっとしているしかないもの、そういうものへの感受性をなくしはじめた。偶然を待つ、自分を超えたものにつきしたがう、未来というものの訪れを待ちうけるなど、「待つ」という行為や感覚からの認識を、臨床哲学の視点から考察する。
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