プランニング~ソーシャルワーク・プロセス

5 3 月, 2010 (08:04) | コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書, 東京学芸大学

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ソーシャルワーカーにとって重要なことは,意図的にケースを動かしていけるかです.では,そのためにはどうすればいいのかと言うと,アセスメントをすることです.そして,そのアセスメントを基にプランを作成し(プランニングし),それを実行・実践(インターベンション)することです.更に,この実行や実践が本人か家族に変化を与え,問題の解決へとむかっているかを監査(モニタリング)します.この時も,アセスメントと,プランニングの修正を加えながら進めていきます.

と,ケースを意図的に動かすということは,上述のようにソーシャルワーク・プロセスを意識して行っているかということなのです.

が,実際は,患者さんやご家族,医師や看護師,その他のコメディカルスタッフなどに引かれてしまい,その場しのぎの対応をしているソーシャルワーカーは少なくありません.

何故かというと,先ほども言いましたが,アセスメントをしていない,プランニングをしていないからです.

我が医療福祉相談室では,アセスメントは当たり前のことですが,プランニングの工程をとても重視しています.大目標(大きな目標)と,小目標(小さな目標)を必ず造ります.面接の回数や時期についてもプランニングしています.そして,その根拠はすべてアセスメントに戻るようにしています.「なぜそうしたの?」と問われれば,この根拠(エビデンス)をアセスメントから示すことにしています.

今まで,後輩ワーカーにも,かなりプランニングをしっかりやりなさいといってきたのですが,アセスメントをするので手一杯だったこともあり,この頃になって,やっとこのプランニングが出来るようになってきました.

このプランニングをすることによって,ケースの進捗状況が明らかに分かります.大きな目標を達成する為に,現在の支援では遅すぎるのか,余裕があるのか… などをモニタリングしながら進めていきます.

これをすることによって,ケースが遅れている場合には,時にクライエントに意図的にプレッシャーを与えつつ,必要な支援をしていくことも検討しなければいけませんし,ケースの進行に余裕がある場合は,今の進捗が「何の問題もなく進んでいる」ことを伝えたり,継続して支援を得られるような信頼関係やクライエントのストレスマネジメントをしたり,労いの言葉をかけたりすることが出来ます.

これは,根拠を持って行っていることなんです.何故なら,プランニングに基づき言動しているからです.

それが,プランニングなど無ければ,ワーカーの気分で,クライエントに労いの言葉を急にかけてみたり,無意味なプレッシャーをかけたりすることとなります.

と,いうことで,我が医療福祉相談室では,プランニングをとても重視しています.勿論,プランニングをするためには,十分なアセスメントが必要になってきますので…

我が医療福祉相談室では,ソーシャルワーク・プロセスを重視しています,といった方がいいですね.

部署内勉強会でも,後輩ワーカーが発表する多くは,プロセスレコードと,アセスメント,プランニングがしっかりされているものばかりです.逆に,そうでない場合は,私が指導すること自体無意味なので,発表する際は,事前の準備をしっかりしてきています.

このようなことって,なかなか意識しながらすることが難しいですが,チーフ・ソーシャルワーカーの私が,毎日のように「根拠(アセスメント)は?」とか,「プランニングは?」とか言っていれば身につくんですね.

 Techniques and Guidelines for Social Work Practice アメリカのUndergraduate(学部)でのソーシャルワーク教育で使われているテキストです.とてもよくまとめられています.

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