事例勉強会の報告 ~知的障害をもつAさん(30歳代・女性)の事例

27 2 月, 2010 (08:17) | コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書

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昨日の事例勉強会の報告をしたいと思います.第17回目の事例勉強会でした.

事例タイトルは,『家族の協力が期待できない』というタイトルでした.事例タイトルは,もう少し,事例の内容が分かるようなタイトルにするとよりよいと思います.

例えば,『知的に障害を持つAさん(30歳代・女性)の対応や支援方法の検討と,母親(家族)との協同支援計画の作成に関する事例』といったように,事例タイトルをすると,とても分かりやすくなります.

また,3つほどのキーワードを設定するといいと思います.例えば,「知的障害」,「ソーシャルワーク」,「支援計画」のようにキーワードを設定しておくといいでしょう.

まず,事例の概要ですが,

Aさん(30歳代・女性) 愛の手帳2度,障害者認定区分2(実際はもっと重度)

この事例は,事例提供者の方がタイトルにしたように,なかなか家族(母親)の協力が得られない事例でした.しかし,連絡帳のやり取りや,何かあったときは母親から電話が来たり,保護者会にもよく出席するなど,視覚的には協力が得られているようにみえますが,作業所と協働して一貫した支援を行うことが困難なのです.

また,本人自身は,とても愛嬌があり,なんでも周りが手を出したり,口を出したりしたくなってしまうようなタイプです.そのため,Aさんが,思うようにいかない場合は,Aさんが石のように立ち止まったり,整容を指摘されてもそのままでいたりすると,直ぐに周りが手を差し伸べてしまうのです.

私自身は,これは,Aさんの生きる術ですが,それが負の方向に働き,さらにこれが繰返されることによって「強化」さてしまっているのだと考えました.

つまり,Aさんの負の部分を引き出し,それを強化する支援ではなく,正の部分を引き出し,それを強化していくような支援に変更していく必要があります.

例えは,小さな成功体験を繰返すといった方法をとったり,出来ていることを指摘したり・・ する支援です.

Aさんは,セルフケアは殆ど出来ません.それは能力の問題なのか,周りがやってしまうから出来なくなってしまったのか…はわかりません.しかし,Aさんは,周りの状況をよく見ていたり,自分が置かれている状況が感じられる方です.

上述の支援を母親や家族と一緒に,一貫して行っていくことが重要だと考えます.

そうなると,今度は母親へのアプローチになりますが,まずは,母親の思考や価値観などを理解することからはじめる必要があるのではないでしょうか.「なぜ,そう考えるのか」,「なぜ,そう考えないのか」,「なぜ,そうするのか」,「なぜ,そうしないのか」といった疑問がたくさんあるようです.そのためには,その方の世界観を理解しなければいけません.

つまり,もっとコミュニケーションをとる必要があるのです.そして,連絡帳も,電話連絡も,保護者会にも参加しているということをうまく活かしていくことが重要だと思います.もし,それがクレームであってもです.

その時,じっくり話し合うことで,もしかしたら,少しだけでも,母親の世界観や価値観を垣間見ることが出来るのではないでしょうか.

上述の支援はとても難しいものです.簡単にはできませんが,これを意識する必要があります.

もしかしたら,協働を拒んでいるのは,作業所側の方なのではないのか? ということも考えるべきです.

以上,昨日の勉強会の報告です.

*もう少し具体的な現象や状況をお伝えするとAさんの人間像が分かるかと思いますが,ブログという性質上,この辺りで留めて置きたいと思います.実際は,このAさんの支援は,付きっ切りの支援が必要な状態です.

◆◆◆

その後,恒例の飲み会に行きました.比内地鶏のお店だったので,鶏肉とワインをいただきました.帰宅は,午前0時でした.

 『働く幸せ~仕事で一番大切なこと』 「私たちは、なぜ働くのか?」 その答えがここにあります。「導師は人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役にたつこと、人から必要とされること、に4つと言われました。働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのだ。私はその愛までも得られると思う。」(大山泰弘)引用.とてもいい本です.是非一読してみてくだささい.

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