他者理解~ロールプレイ

2 6 月, 2009 (08:16) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書, 東京学芸大学

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本日5時起床. 昨日は,午前病院勤務.午後から学芸大学で講義でした.

今日は,昨日の学芸大での講義のお話をしたいと思います.まず,社会福祉援助技術演習の方では,現在,「他者理解」をしています.昨日は,外来の受診の場面をロールプレイしました.ロールは,①患者さん(80歳代女性:仮名千代),②長男の嫁,③整形外科の医師,④ソーシャルワーカーでした.

簡単に場面を説明すると,①の千代は,一人暮らしをしていましたが,腰の痛みを訴え,身の回りのことができなくなってしまい,近所にいる実子(長女)が身の回りの世話をしてくれていた.しかし,実子(長女)は,時期によって忙しい仕事をしていて,今後一ヶ月間自宅に帰れないくらい忙しくなるため,千代を隣接県にある長男宅で預かってもらうこととなった.②長男の嫁は仕事をしていない.

預かって直ぐに,千代は,痛みが悪化し,「痛い.痛い」と叫ぶばかり.それを見かねた②長男嫁は,病院の診察に連れて来た.②長男嫁は,入院をさせて欲しいと医師に訴えたが,③医師は,病状的に入院は必要ないと判断している.①千代は車椅子に座り,下を見て何もいわず黙っている.そこにソーシャルワーカーの介入がありました.という場面.

ここで,まずそれぞれの役割(ロール)にたって,どんな思いなのか,何を考えているのかなどをグループで話し合ってもらいました(私が,各班を周り,役割のイメージをもっとリアルにする為に,それぞれの立場に重要なヒントを伝授しました).

次に,グループで話し合ったロール(役割)にしたがって,代表者にロールプレイをしてもらいました.それを二回やりました.

その後,ロールプレイをやってみて,どんな気持ちだったか.その人になりきった場合,どんなことに気がついたかなどをグループで話してもらいました(ここでは,どんなことを感じたのか,どんな気持ちだったかをフィードバックできるようなのヒントなどを伝え,話し合いを深めていきました).

最後に,全体で,それぞれのロール(役割)が,どんな思いだったのか,どんなことを考えたのかなどを共有しました.詳細は書きませんが,②長男の嫁が,「入院させて欲しい」という度に,①千代は「申し訳ない」と思った.また,②長男の嫁は,痛いならなぜ,入院したいといわないのかと,①千代に苛立った.③ソーシャルワーカーが介護サービスの話をしだしたときには,②長男の嫁は,「私には決定権がないのに・・」,「一先ず入院させて欲しい」と思った.①医師は,何で入院の必要がないことがわからないのかと苛立ち,次の患者さんのことや,午後からの手術のことが気になり,もう早くこの面談を切り上げたいと思った.が,一方で・・入院させてあげたいけれど,今の医療制度では,入院させることが困難であったり,病院経営の事を考えると入院は妥当ではないと悩んだ.と・・・書きだ出せばキリがないほど,お互いの思いはありました.勿論,ここまでの理解を深める為には,私からの各班へのコメントや指導はありましたが,敏感に感じている学生さんもたくさんいました.

ソーシャルワーカーは,常にこの3者の「思い」や「ニーズ」は何なのかを分析し,そのとき一番適切な言葉を発します.ここで重要になるのが,まずは,家族関係を図式化(ジェノグラム)し,家族全体の状況を概観することが重要です.そのほか,医師の立場,役割や機能を理解しておく必要もあります.更に医療制度などについての知識も必要となります.つまり,他者理解で重要なことは,相手の立場を多面的に把握することが重要です.常に,社会や家族内での立場や役割,位置などを理解しておく必要があります.

と,いう授業でした.社会福祉援助技術論の復習は本日はできませんでした.すみません.

 『深く考え、実践する特別活動の創造―自己理解と他者理解の深まりを通して』 単に自己理解を深めるワークブックではありません.ただ,自己理解と他者理解の関連性や,自己理解と他者理解の重要性を知る書籍となっています.

本日は,一日病院勤務です.

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