氷山モデルと行動支援 ~常勤会(事例検討)

23 2 月, 2011 (08:32) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 後継者育成事業, 推薦図書, 講義・公演・講習

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昨日は,一日病院勤務の後,夜,ある社会福祉法人の常勤会で,事例検討の講師をしてきました.実はこの勉強会・・ 個々に至るまでには長い経過がありました.

ちょっとお話しすると,平成20年の7月に歴史はさかのぼります.この約3年前から現在までこの法人の有志で勉強会をしているんですね.今年は,1月にも行ったのですが,この時,「24回目」の勉強会だったんです.

何が言いたいかというと,継続してきたということです.細々と,少ない時には,5人くらいになっても,ほぼ毎月続けてきたんですね.

で,この成果が,一つの形になって,法人オフィシャルの常勤会の中で事例検討を行うことが出来たんです.実は,これって凄いことなんですよ.

現場から,組織を変えた一事例です.

私は,専門学校で,社会福祉士養成の『福祉サービスの組織と経営』と言う科目も担当しているのですが,組織をどのように運営していくのか,職員教育をどのように組織的に行っていくのか・・・ などなど社会福祉士にとって,非常に重要なスキルの一つです.

この科目でも,重視するのは,社会福祉士が組織を意識して,所謂「メゾレベル」に焦点を当てて活動をすることの重要性を説いています.この事例も,そうで,実績を作って,一つの「研修」というシステムを組織に組み込んだことはとても大きなことです.

利用者への直接支援や問題解決のみが社会福祉士(ソーシャルワーカー)の仕事と思っている方も多いかもしれませんが,この活動も立派なソーシャルワークの役割・機能の一つです.

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では,昨日の事例検討のお話をしたいと思います.

事例タイトル:『こだわりへの支援と不安定行動に対しての配慮』 事例提供者は,なんと1年目の新人さん!H君.立派なまとめでした.そして,いつもお話しますが,このように事例をまとめることは,非常に重要なことです.感謝!!

*実践をしている援助者の皆さん,年に一本でいいので,事例をまとめましょうね.

Aさん(男性),愛の手帳2度,区分認定5 作業所利用一年目

この事例では,幾つかの問題(こだわり)行動が顕著になり,この問題(こだわり)行動をやめさせるためにはどのようにしたらいいのだろうか,と言う事例でした.

Aさんは,障害区分は重いものの,作業能力やADLなどが自立しており,能力も高いことから,B型就労支援の対象にもなりうる人です.作業所利用して一年目と言うこともあり,年齢的に若いということもあり,支援者として,Aさんの自立(自律)した生活や仕事環境を整備したいと考えています(中長期目標).

そのためにも,所謂,社会生活を送る中で問題となる行動を取り除いてあげたいと考えています.勿論,そのような問題(こだわり)行動が出たときは,Aさん自身も苦しんでいるということが前提です.

具体的な問題行動とは,母親や女性に詰め寄ったり,物を投げたり,暴力,強いこだわりなどなどが挙げられています.

いつもどおり,フロアーからコメントをもらい,事例の検討を進めました.様々な意見が出まいしたが,例えば,今が介入の時期ではなないかという意見がでました.これについては,フロアーが一致した意見で,また事例提供者も同様に考えていました.また,介入についても,一気に,短期的なものでなく,中期的に徐々に色々工夫していく必要があるという意見が出されました.

また,問題行動が出た際は,かなり意図的に止めたり,声かけをしてもいいのではないか?,と言った意見や,一方で,行動が出てしまってからでは遅くて,その前に介入できないのか?,と言う意見も出ました.

更に,服薬のコントロールや導入のお話も出ました.これについては,私の方から,不安や不眠で生活に大きな影響を及ぼす場合は,適切な薬の投与も効果的であるが,ただ単に薬を使えば問題が解決するわけではないことを伝えました.また,薬を使わないほうがいい支援であるという誤認も気をつけて欲しいことを伝え,薬をコントロール・導入する際は,本人,家族,作業所が連携し,精神科医とコンタクトを取っていくことが重要であることを伝えました.

何故なら,自閉症や知的障害者の多くの障害は,コミュニケーションの障害だからです.つまり,精神薬は,血液検査をして,その分量を決めることが出来ず,本人や支援者の「訴え」によって薬の分量を検討していきます.つまり,家族の思い(「なるべく薬は使いたくない.家ではおとなしくしている.大丈夫」といった主観的な評価)や,作業所や施設の思い(「作業も十分出来ず,情緒が不安定で,出来れば少し強めの薬を出して欲しい」といった主観的な評価)どちらかの「思い」が本人の「主訴」ではないということです.

そういった意味では,本人のことを第一に考え,作業所と家族とが,連携を密にして,状況の変化や行動の変化を共有していくことが重要です.目先のことを考えるのではなく,長い未来を考えた場合,一度しっかり本人の状況を客観的に評価する機会が必要だと思います.

何故なら,本人のためですから.

以上のことを踏まえ,次に私の方から講義をしました.

内容は,「氷山モデル」と「行動支援」についてお話をしました.

「氷山モデル」とは,「表に現れる問題(こだわり行動)」は,氷山の水面にある「問題行動の原因となる要因」と関連していると考えるもので,そのため,問題(こだわり行動)を取り除く場合,それそのもの(問題)に焦点を当てて支援するのではなく,その原因となっている要因を理解し,支援することが重要であることを示しています.

そこで,昨日の事例検討では,「問題(こだわり行動)」に潜む「要因(原因)」をまずは理解すること,アセスメントすることが重要であることを伝えた増した.

では,どの様にアセスメントするのかと言うと,言語的に理解することが困難なので,行動観察と言う手法を使っていきます.そして,観察のポイントは,①いつ(時間),②どこで(場所),何のとき(活動),③直前の様子(本人と環境),④原因の推測という4つのポイントを続けて記録していくことで,この積み重ねが事実(客観)となり,根拠となって行きます.

ということで,まずは,問題行動を取り除くのであれば,原因をしっかり突き止め,その原因に対して支援をしていくことが重要であることを示しました.

ちょっと長くなってしまいましたが・・・ 昨日の事例検討の報告としたいと思います.

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その後は,皆さんと,ワインを飲みにいきました.皆さんお疲れ様でした.

  お薦めの本です.知的障害者への支援について体系的に学習したい方は,是非読んでみてください.勿論当事者の方も,とても分かりやすい二冊です.

今後ともよろしくお願いいたします.左のバラをワンクリック.情熱ブログの順位が分かります ⇒ 人気ブログランキングへ

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