成年後見制度

27 6 月, 2008 (18:27) | 未分類

今日は,成年後見制度のお話をしたいと思います.この制度は,2000年に導入されました.以前は,禁治産とか,準禁治産とか言ってました.現在は,補助,補佐,後見と三つの区分に分けております.ご自分でまったく判断できない場合,後見人を立てます.殆ど,このような状態になって申し立てることが多いのですが,将来的を見越して,元気なうちに後見人を決めておく「任意後見」もあります.詳細については,ここではご紹介できません.さて,後見人になるためには,まず,4等身以内の親族からの申し立てによって,はじまります.その際,後見人を誰にするのかを選定していきます.親族なのか,それもとその他の専門家なのか…そして,最終的には家庭裁判所で判断が降ります.この「その他の専門家」ですが,弁護士だったり,司法書士だったり,社会福祉士だったりします.


今日のご相談は,後見人になっている司法書士の方からです.法律的なことや,財産的なことではなく,病院の転院に関する業務についてのご相談でした.


問題は,本人の病状について,まったく理解できていないこと.次に,病院の役割や病棟の特徴が理解されていないことにありました.前者は,基礎的な医学的な知識不足です.中心静脈栄養(IVH)や経鼻栄養(NG-tube),胃ロウ(PEG),末梢点滴の意味がわかっていない.精神科病院に入院しているが,その精神症状が読み取れない…ということ.主治医から診療情報提供書(紹介状)をもらっているが,その内容を一見理解しているようだが,実は,内容が立体的にイメージできていないことにありました.後者は,一般病棟,医療療養病棟,介護療養病棟それぞれの特徴と限界性に関する知識の不足です.現状況では,一般病棟でしか見られない現状と,その病棟は,治療をした後,即退院しなくてはならないこと,療養型は3ヶ月位待機があること.そして,PEG(胃ロウ)の方は,なかなか療養型病棟に入れないことなど….知らなくて当然ですが,実は,転院相談を行ううえで,以上のことは基礎であり,こういった知識を持ち合わせていないと,転院支援を行うことは出来ません.


私からのアドバイスとして,まずは,ご家族内で,栄養の接収方法を決めることが重要であること伝えました(後見人は,手術の同意を初め,医師からの病状説明などは,基本的に親族におこなわれます).つまり,①末梢の点滴でいくのか,②胃ロウや経鼻栄養などの経管栄養でいくのか,③IVH(中心静脈栄養)でいくのかを家族内で決めることが重要でえあることを伝えました.そこではじめて,転院相談になると伝えました.


①の場合,有料ホーム等の施設や一般病院や医療療養型病院が考えられます.


②の場合,福祉施設,医療療養型病院(あまりとってもらえませんが),介護療養型病院などが考えられます.


③の場合,医療療養病院が考えられます.


*以上の選択肢は,一例ですので,転院先は個人差がありますので,画一的なものではありませんのでご注意ください.


ということを一通り話しました.つまり,何がいいたいか.医療や福祉はとても専門的な分野なため,司法書士などの専門家でも,転院相談をするのは難儀だということです.つまり,それが,医療や福祉のサービスをまったく利用したこと無い方にとっては,本当に大変な作業だといえます.露木ソーシャルワーク研究・相談センターでは,このような相談にも応じていますので,ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください.