措置制度から利用・措置制度へ 社会福祉基礎構造改革

8 5 月, 2009 (08:15) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書, 東京保育専門学校, 東京学芸大学

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本日5時起床.雨です.豪雨です.気持ちまで鬱々としますね.皆様いかがお過ごしでしょうか.何となく気分も乗ってきませんね.

昨日は,午前専門学校の講義,午後から病院でのソーシャルワークでした.午前の講義は,連休明けの授業だった為,全体的に落ち着きがなく,集中力が欠けていたように思います.

昨日は,社会福祉とおいて重要な「人権」と「権利」について講義しました.人権と権利の用語的な説明から始まり,国際人権規約(社会権規約,自由権規約)や日本国憲法(第25条,第11条,第13条)から権利の定義をおこなっていきました.

更に,生命や生活を保障するなどの国や社会などから何かをしてもらう権利として「受動的権利」,表現や意見,思想信条の自由など,自ら何かをする権利として「能動的権利」を整理しました.また,児童の権利に関する条約では,子どもにも,これら二つの権利が認められるべきだと明らかにしています.

最後に,社会福祉基礎構造改革による申請に基づく措置制度から,当事者の主体的意志や主体性に基づく利用(契約)制度へと転換したことを整理しました.措置が廃止された施設としては,児童分野では,保育所,母子生活支援施設,助産施設などがあげられます.以前措置制度が残っているのは,児童福祉説のうち児童相談所を窓口とする乳児院や児童養護施設などがあげられます.

そして,この利用・契約制度に変換することにより,以下の5点が重要となります.これは,日々のソーシャルワークにおいても常に意識していることです.①サービス利用を促進するあるいは選択するための情報提供や利用促進制度の充実化,②満足のいく選択肢を提供できるようなサービスの質や量の充実化,③適切な選択が遂行できるように保障する成年後見制度などの意思決定補佐制度の充実化,④サービス中の権利侵害等に対する苦情申し立て等制度の充実化,⑤施設等の運営全般を社会が監視する第三者評価システムの充実化が挙げられます.

日頃の臨床でも,上述の5点については,常に意識をして支援をおこなっています.特に,①や③を達成する為に重要なのは,アセスメントです.利用・契約制度を採用する現代の福祉サービス体系・体制においては,利用者を適切に理解する,多面的なアセスメントが重要であることがわかります.

と,言った授業でした.

その後の病院勤務では,面接がずーーっと,続いていました.本日も,明日も面接予約がギッシリ詰まっています.もうこれ以上面談ができないくらい入っています.ということで,本日は一日病院勤務です.

 『ぶどの木~10人のわが子とすごした,里親18年の記録』 坂本洋子著 子どもに恵まれず,里親として初めて“長男”を迎えた著書は,予想もしなかった社会の無理解と差別にぶつかる.やむなく長男を施設に戻さざるをえなくなった時,親子の絆を支えた「ぶどうの木」の聖句.しかし長男は17歳のの夏,バイク事故で不慮の死を遂げる….親子とは何か,人のつながりとは何かを問う作品です.是非,福祉援助者になる学生さんには読んでもらいたい一冊です.本などを通して,たくさんの経験をすることで,それが実際の援助で役に立ちます.共感や受容などをサポートしてくれます.自己覚知の手助けをしてくれます.是非,学生のうちにたくさんの本を読んでおいてください.

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