最後のとき~結果でなく,それに至るプロセスの大切さ

19 10 月, 2008 (07:11) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療)

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本日,6時起床.昨日は,バタバタの一日でした.朝9時からの面接に始まり,面接やカンファレンス,会議と・・・休む暇がありませんでした.ランチらしき時間が取れたのは16時.それも5分程度で,休んでいるときも数本の電話が,かかってきました.


そして,一日のラストに,在宅で生活をしていた末期がんの方が亡くなりました.ご家族が丁寧にご挨拶をしてくださいました.この方は,今週火曜日に当院の外来に腰の痛みで受診され,レントゲンやCT,MRIなどの画像診断の結果,末期の癌であることがわかりました.肺は雪が降ったように真っ白で,すでに肺の機能の1/3は停止しているような肺でした.原発は,特定できませんが,肝臓か,胃にも腫瘍みられたので,どちらかでしょう.骨(骨への)転移もあり,背骨(坐骨)は,潰れている状況でした.


その日に,外来ドクターより,「ご家族の意向で,在宅で介護・看護をしていきたい趣旨」が私に伝えられ,今後の自宅生活の準備をすることになりました.当日は,ご家族内での話し合いを取ってほしいこと,ご本人が外来受診でお疲れだったことに配慮し,改めて面談をすることにしました.そして,金曜日,実娘・実息子・孫(今回のキーパーソンでした)と面談を行いました.約2時間近くじっくりお話をしました.単に,サービスを導入,セッティングするのではなく,ご家族のお気持ちや今までのご本人さんの生き様などなどを丁寧に拝聴させていただきました.まず,在宅か,入院かについても改めて確認を取り,やはり在宅の意思が強く,自宅での生活設定を行うことになりました.その中で,できるだけ,ご家族で看護・介護をしたいというご要望だったので,最低限の医療体制を整えることを検討しました.具体的には,①痛みのコントロール・軽減,②呼吸管理(在宅酸素等の検討),③食事の管理(点滴などの対応)です.結論としては,往診医と訪問看護の手配,介護用ベットの導入をしました.後は,ご家族がそばにいてあげること,痛いというところを丹念に擦ってあげること,声をかけてあげること,一人にしないこと・・・を助言しました.そして,昨日私が至急手配したベットの搬入されました.


ご家族がご挨拶の際,「新しく入ったベットに横になり,そのベットの周りには,家族の写真や花をたくさん並べてあげていた」と話します.お孫さんは,祖父の髭を綺麗に添ってあげれたと話します.金曜日の午後には,本人ははじめ躊躇していましたが,友人との最後の別れができたといいます.そのときは,本当にしっかりしていたとのことでした.とても静かな環境で,ご家族に囲まれながらとても静かな最後を迎えることができたとのことでした.闘病生活4日間でしたが,ご家族は,この4日間,全力を尽くし,献身的に,本人と向かい合いました.お孫さんと娘さんと最後にお話しているとき,私の目頭も熱くなりました.人の人生は死という結果ではなく,それにいたる過程(プロセス)に意味があるのだと改めて教えられました.ご冥福をお祈りいたします.


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