勉強会の報告

11 10 月, 2008 (00:54) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 後継者育成事業, 講義・公演・講習

福祉・介護ブログランキングへ ←このクリックがランキングに反映されています.


只今,帰宅しました.朝のブログでも,お話しましたが,本日は,知的障害者を支援する作業所の職員さんの勉強会に参加してきました.回を重ねるごとに,グループの性格といいますか,独自性といいますか・・・が,でてきてこの会に関しては,とてもアットホームな勉強会です.ただ,新しい知識を学びたい,現状の支援をどうにか改善したい・・・という熱い気持ちは伝わってきます.


今回は,Aさん(30歳代:男性)のケースでした.Aさんは,療育手帳4級を持ち,更に精神科病院への通院をしています.支援目標としては,(1)企業(一般)就労,(2)アパート生活です.この事例では,以下の二点の話し合いを中心に行いました.*本人の状況を精査すると,以上2点の支援目標は,現実的ではないという意見もありました.


①Aさんのやる気や自身を引き出し,企業就労(一般就労)に結びつけるための支援の検討


②作業所と家族や医療機関(精神科病院)との連携,その他の支援機関との連携・協働の検討.


この二点について,フロアーから様々な意見が出ました.どのご意見もとても重要で,一つひとつ丁寧に検討する必要があるものでした.


次に,これらの支援に必要な知識(理論)と技術(アプローチなど)を講義しました.1点目に,ストレングス・モデルについて解説しました(本人のストレングスの査定と利用について説明しました).ストレングス・モデルとは,本人の出来ない点に着目し,それを強制するモデルではなく,本人が持っている力を査定し,認め,それを引き出し,活用するモデルです.関連して,エンパワメント・アプローチについても整理しました.つまり,本人の元々持っている力(強み・力点=ストレングス)をしっかり評価したうえで,それを引き出す・生かす支援方法について解説をしました.


二点目に,②との関連もありますが,エコマップについて,ご説明しました.エコマップは,1975年にA・ハートマンによって考案されてマッピングの一種です.人と環境の社会的交換作用の中で発生する心理・社会的側面に対するソーシャルワークにおける支援経過は,単に文章のみで綴られる記録だけでなく,ケースの全体性を把握する意味で図式に落とし込むことが有効とされており,特にソーシャルワークプロセスのアセスメントやプランニングの段階で用いられています.今回は,このエコマップを作成し,全体像を静観すると共に,その関係性についても検討しました.


これらの支援は,本人の弱点や弱み,問題点に着目して支援するのではなく,本人の持つ強み(ストレングス)や関係性などに着目することで,支援の限界を取っ払うことに意義があります.連携や協働についてもお話しましたが,連携や協働で大切なことは,相手のやり方やルール,想い,立場,役割をよく理解した上でかかわることです.そういった意味では,社会資源の理解や知識が重要になってきます.


最後に,私からコメントと事例の総括をして研修会を終了しました.その後,恒例の飲み会に行きました.実は,この飲み会が,話しきれなかったことをもう少し語る,第二次的な勉強会になっています.


今回もとても有意義な時間でした.ありがとうございます.


さて,このブログの順位は?←1日1回,クリックお願いします.いつも購読ありがごうございます.そして今後ともよろしくお願いいたします.


*ブログに関するご質問・感想はこちら blog@tsuyukis-support.sakura.ne.jp