研修会を振り返る

29 6 月, 2011 (08:54) | コラム(ライフスタイル), コラム(介護・福祉・医療), 後継者育成事業, 推薦図書, 講義・公演・講習

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 クエスチョン・バンク社会福祉士国家試験問題解説 2012

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内容:第20回国家試験から第23回(最新)の過去問題+αの解説集です.

編著:露木信介(つゆきしんすけ) Tsuyuki shinsuke 保健医療分野担当.

参考http://www.medicmedia.com/welfare/book_stateexamination.html

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今日も朝から熱いですね.こんな日は,ビーサン(ビーチサンダル)で,砂浜を散歩したいです.

私,夏好きなんですよ.特に,夏の夕暮れ時が大好きです.少し涼しい時間ですが,「生きていて良かった」って感じる瞬間です.空を見上げたり,夕焼けを見ていると,とっても心が安らぎます.

東京にいると,日没のその週間も,日の出のその瞬間も,見ることができませんが,傾く太陽と,変化する空を楽しむことは出来ます.

でも,やっぱり,空が開けた島で見るそれが,とっても美しいです.

◆◆◆

さて,昨日は,午前病院で,午後から職員研修会の講師でした.今回の研修は,社会福祉法人で,知的障害者支援をしている事業所職員を対象にしたものでした.

常勤さん,非常勤さん,合わせて60名強の研修会でした.

一方的な,講演や,講義形式であれば,60名はさほど多い人数ではないのですが,昨日は,事例検討をやったんですね.

研修会のタイトルは,

「よりよい支援をめざして~事例検討」でした.

構成としては,2部構成で,一部は,事例の提示と,パネリストからの提言.第二部は,グループ討議・発表と,私の講義でした.

とっても盛りだくさんですよね.14時から17時の3時間でしたが,あっという間に終わってしまいました.

◆◆

まず,第一部では,私から事例検討についての概論をお話しました.

事例検討会と言うのは,行った支援が,「正しい」とか,「間違った」ということを検証するのではないことをはなし,「利用者のことを考え行った支援は,すべて「正しい」ことを伝えました.

では,「よりよい支援」とはどうでしょう? よりよい支援と言うのは,「その時,その場所で,その人にあった『オリジナル(個別的)』な対応」と,いえるのではないでしょうか?

そして,この「オリジナル」を実現する為に,支援者が,話し合い,討議し,検討するプロセスが重要なのです.つまり,事例検討が大切なんですね.

あと,共生社会や,社会福祉の目的,LIFEについて解説をしました.

次に,二つの事例を提示してもらいました.事例タイトルは,

事例Aは,個別支援と,事業所全体の雰囲気・環境づくりに対する支援の検討.

事例Bは,強迫的こだわりへの対応と,生活拡大への支援の検討.

です.

この後,

パネリストの方三名がそれぞれコメントをしてくれます.列挙しておきます.

・利用者個人と,作業所全体との調和について

・利用者一人への特別扱いと,集中的なかかわりの重要性について

・特定の支援者から,複数の支援者への拡大と,情報の共有化について

・強迫的なこだわりが強くなっていることへの支援について

・環境の変化と,ストレスの関連について

・事業所と,家庭との連携体制について

・「正の支援(ストローク)」と,「負の支援(ストローク)」について

・ストレングス(独自性・個性)の活用について

などが挙がりました.これは,私が整理したものですが,このような内容をそれぞれコメントしてくれました.

ここで,一部は終了.

ここから第二部です.今日は,ちょっと長めのブログになりそうです.

第二部の冒頭で,私の方から,第一部のフィードバックと,事例検討のポイントを整理しました.

そして,事例検討のポイントを,以下の三点に設定しました.

①個別支援と,集団支援の可能性と限界性についての検討

②強迫的なこだわりや,こだわり行動に対する支援についての検討

③利用者の10年後の未来を見据えた支援とは何かの検討.

この後,8つのブループに分かれて,約30分グループ討議をしました.

グループ討議の後,各グループで話し合われた内容を発表しました.

それによると

・特別扱いについての議論

・個人への支援の連続が集団支援に繋がる

・複数の支援者がかかわる際には,かかわりの一貫性が重要

・物理的な環境の改善や,職員の配置の充実が重要

・確かに,事例の事業所は,物理的空間が狭いが,広くても同じ

・こだわりは,はやく解消してあげたい

・こだわりは,次々と変わっていくが,その都度,解消してあげたい

・ご家族の苦労が,本当に分かる.作業所にいる時には,ストレスを与えないようにして,自宅へ帰したい

・利用者の将来を考え,仕事ができるようになってもらいたい

・こだわりは,解消してあげたいが,その基準をどうするか.非社会的,反社会的なものでない場合どうするか.

・精神症状や,精神薬を服薬しているが,精神科とのかかわりや,精神科領域での支援の検討

などなどなど・・・

まだまだ,まだまだ,本当にたくさん出たんですけど,このあたりで割愛させていただきます.

◆◆

これを基に,私の方から講義をしました.30分だったので,本当にコメント程度のお話しか出来なかったのですが・・・

大きく,

(1)個人と,環境との交互作用モデル(エコロジカル理論)

(2)氷山モデル 行為(こだわり行動)に着目した支援でなく,その「原因」に対応する支援

について解説しました.

(1)の個人と環境の交互作用については,この事例では,利用者個人と,他の利用者や作業所などの環境とのかかわりへの支援をお話しました.

どうしても,私たちは,個人と,環境とを切り離して支援しがちで,勿論,個人への支援,環境への支援はとても重要なのですが,この二つの個人と環境との関係性,つまり交互作用性に着目した支援が重要なのです.

双方への支援とは,支援当初は,分離して支援することもあるかもしれませんが,それを統合するプロセスで,必ず,双方のバランスを取っていくものです.このバランスを調整することこそ,交互作用に着目し,個人と,環境の接触面(界面)へと支援した瞬間です.

簡単な例で,汚れた池にいた,弱った魚のお話をしました.汚れた池は「環境」で,弱った魚は「人・個人」です.このとき,弱った魚を救う為に,一旦汚れた池から引き上げて,キレイな水で,しっかりエサを与えて支援するでしょう.そうすると,魚は,再び元気を取り戻します.

元気になった魚を汚れたままの池に戻したらどうなるでしょう? そうです,数日後にその魚は死んでしまいました.

なぜでしょうか? 魚自体が弱かったからでしょうか?

つまり,この例のように,どちらか一方だけに支援をしても,双方に適切な支援がなされ,更に双方の関係性を調整し,取り持つ役割がいなければ,この問題は解決しないのです.

と,いうお話をしました.

(2)については,氷山モデルの解説の後,

「行為(こだわり行動)」へ支援した場合は,「禁止」で対応するでしょう.その場合,こだわりが強くなったり,パニックが起きたりします.結果的に,「行為」への支援は,「禁止」で対応し,状況が悪化する場合があります.

そこで,その行為の意図,即ち「原因」を探り(これは記録を積み重ねることが重要),この原因に支援をする.そうした場合の支援は,声かけの工夫や,環境の整備といったように,支援の幅が広がることが分かります.

と言うお話をしました.

最後に,二点,グループ討議の中で,議論されたことへのコメントをしました.

まず,一点目は,「特別扱い」です.支援者の多くは,必要なかかわりをしているのに,他の利用者さんと比べると,明らかに時間を割いており,ある特定の利用者だけを「特別扱いしてしまっているのではないか」といった,自責の念を持つ方多いんです.

しかし,「特別扱い(優遇)」なのか,「個別化」なのかを明確にして置くことが重要だと思います.これが明確になっていれば,平等とは,「等分」ではなく,「必要な配慮」であることが分かります.時間的,物理的なかかわりの量ではないことが分かります.

社会福祉学の平等とは,「等分」ではなく,「必要な配慮」であると考えています.

3人の利用者がいた場合,30分の支援時間の中,Aさん,Bさん,Cさんに当分の10分ずつ関わりを持つことを平等とは言いません.例えば,この30分の時間が作業の時間だったとしましょう.Aさんは作業はまったく問題が無い,Bさんは作業をするまでに時間がかかる,Cさんは途中から飽きてしまう.

この時,個別化の原則も則って支援するとはどういうことでしょうか?

Aさんには,手取り足取りかかわる必要が無いけれど,声かけや見守りを30分連続するでしょう.

Bさんには,特に前半部分でマンツーマンでかかわるため,前半の15分を費やすでしょう.

Cさんには,飽きてくる10分後くらいから断続的に約20分関わりを持ち,最後の10分はマンツーマンでかかわるでしょう.

支援等は,こういうことですよね.こう考えると,等分では,支援できないことが分かります.

また,また,違う場面,例えば,食事の場面では,Aさんにマンツーマンで,Bさん,Cさんは見守りや声かけで充分かもしれません.

このように,必要なかかわり,必要な配慮が重要なんです.

つぎに,精神障害と知的障害の重複障害と,精神科領域との連携に関して,

まずは,支援者として何が困っているのかを整理する必要があります.この時,利用者の前回を部分的に切り取り,特に精神的側面や心理的側面に焦点化し,その側面での分からない部分や困ったいる部分を精神科と協働していくことが重要だと思います.

実際に,私もたくさんの重複障害の事例を見ていますが,薬の服薬によって,本来持っている力がそがれてしまっている方や,行動や活動が抑制されている例もあります.そういった意味では,精神科との連携は,今後非常に重要になってくると思います.

あと,精神疾患は,内科疾患のように,血液検査や,レントゲンを撮って客観的に診断することが難しく,症状を問診してそれに対して必要な服薬をしていきます.そのため,症状を的確に,精神科医に伝えるツールが非常に重要になってきます.言葉が無い利用者も多いですし,自分の状況を伝えられない利用者も多いです.その場合,親や,作業所が精神科医に伝えていくのですが,どうしても,この時,親や作業所の「思い」や「主観」が入ってしまうものです.

そういった意味では,やはり,家庭と作業所,他の機関とが連携し,利用者本人の状況を客観的に判断する話し合いの場や,協議の場が必要になってくるのです.

と,こんな感じの研修会でした.

今日は,長く書き過ぎました.最後まで読んでくださった方,ありがとうございます.

  本日は,尾崎先生の著書を二冊ご紹介します.どちらも,必読の本です.この夏休みにでも,ノンビリ読んでみてください.

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一日,

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