事例勉強会~援助者のカラー
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昨日の勉強会のフィードバックをしたいと思います.
昨日は,知的障害者の作業所職員の勉強会でした.毎月コツコツと,続けた勉強会も今回で19回目でした.
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事例は,「『仕事』に取り組む姿勢を保つためにはどうすればいいか」というタイトルの事例で,Dさん:20歳台の女性(自閉症 愛の手帳2,区分認定4)でした.
今回は二つの点を中心に検討しました.
ひとつは,職員の意思統一や,支援方法の統一化.もうひとつは,中長期的な目的や目標に関する検討でした.
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「職員の意思統一や,支援方法の統一化」ですが,これは二つの点で検討しました.
一点目は,職員個人の能力や目的の違いによる差(バラつき).二点目は,組織変革(事業所合併)に伴う支援方法の伝達不足です.
まず,前者の「職員個人の能力や目的の違いによる差(バラつき)」については,職員個々の支援を批判する意味ではなく,お互いの意味や意図を言語化し,刷り合わせていく作業も重要ではないかとスーパーバイズしました.更に,職員の個性や独自性,カラーは大切にしたいが…,基礎や土台が合って,初めてその職員個々の個性や独自性,カラーがあるので,基礎や土台部分は,共通化しておく必要があることも伝えました.
基礎・土台部分は,施設の大目標であり,利用者個々の支援計画です.
後者の組織変革(事業所合併)に伴う支援方法の伝達化についてですが,実は,今回発表してくれた事例提供者の方の事業所(作業所)は,この4月から同一法人内の他作業所と合併をしたんです.そのなかで,職員間の移動があり,職員自体も,まだ,個々の利用者の対応方法を習得していない状態で,事例提供者の方は,このDさんのケースだけでなく,施設内の職員の意思や支援方法の統一化について,困っていました.
私からは,利用者の個人カードのようなものを作り,そこにショートゴールと,それを実現する為のタスク(課題)をまとめておくことを提案しました.例えば,大きなゴールはこの3年で一般就労をする.中期的な目標はこの1年で基本的な生活習慣や社会生活におけるルールを習得する(徐々に参加と活動の場を拡大する).した時.
幾つかのショートゴールが挙げられるかと思います.例えば,「社会生活能力を身に付ける」というショートゴールを作った場合,タスクとして,□あいさつができないので,出来なかったときは,こちらから目を見て挨拶をする.□指しゃぶりがあるので,指しゃぶりをしている時は,必ず声かけをする.のように,小さなゴールとそれを達成する為の具体的な行動をカードにしておくなどの対応を検討してもいいのではないかと,提言しました.
その他には,申し送り(ミーティング)ノートの活用については,現在,非常勤職員(毎日出勤しているわけではない)や欠勤者のために,申し送りノートをタイムカードの所に設置しているのですが,それを見ている人が少ないという課題が挙げられました.
私からは,まず,申し送りノートに読んだ人はサインをする方法を取ったらどうだろうか,ということと,重要度に応じて,色分けをしたらどうだろうか,と提案しました.例えば,「必ず読んでほしい.重要な内容」の場合は,赤のボールペンで記入.「次に重要で目を通しておく必要がある内容」は青のボールペン.日常の変化などについては黒のボールペンで記入するといったように… ま.ちょっと厳しいコメントとなってしまいますが,非常勤だろうか,常勤だろうか,有資格者だろうが,無資格者だろうが,支援者として関わるのであれば,最低限,施設や利用者の状況を把握した上で接するのが当たり前だと思いますが…
厳しいコメントですが,人と関わるってそういうことじゃないですかね.これは,支援に限らず,日常の生活でもそうだと思いますが…
と,このような事例検討をしました.
このほかにも,もっともっとたくさんの意見やコメントがありました.
ということで,昨日の勉強会のフィードバックでした.
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