ノーマライゼーション

14 5 月, 2010 (08:10) | コラム(介護・福祉・医療), 推薦図書

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昨日の講義では,先週の社会福祉の構成要素の要素それぞれの解説の続きをしました.


まず,社会福祉の構成要素とは,①社会福祉が対象とする問題,②問題を解決するための資源(社会資源)等,③①問題と②社会資源を有効に結びつける援助者や援助技術,④これらを包括する援助観や福祉観です.


この各項目(要素)解説したのですが,本日は,④の援助観と福祉観について少し整理したいと思います.



④の援助観や福祉観とは何かと言うと,援助をおこなう上で重視する価値や考え方のことです.


例えば,日本国憲法の示す第25条の生存権保障や,第11条基本的人権の保障,第13条生命,自由幸福追求権などが挙げられたり,ナショナルミニマムや,ソーシャルミニマムと考え方もあります.更に,ノーマライゼーションという思考も重要です.



ここでは,ノーマライゼーションという思想(思考)について整理したいと思います.


ノーマライゼーションについては,皆さん用語としては,一度は聞いたことがあるかと思います.この用語は,1960年代北欧で,知的障害者の活動に起源を持ち,1981年の国連「国際障害者年」及びその後の「国際障害者の10年」をきっかけに,1980年代以降国際的に浸透していきました.日本でも1980年代後半から1990年代に入って,急速に定着,浸透していく概念です.


では,どのような意味を持つかというと,「ある社会からその構成員のいくらかの人々を締め出す場合,それは弱く脆い,脆弱な社会である」 つまり,何らかのハンディキャップにより,住み慣れた土地や地域から切り離されてしまうような社会は異常な社会で,脆弱な社会なんだと,いうことです.


これにより,我々福祉援助者の援助観にどのような価値を付与したのかというと…


それまでも,福祉観は,ある障壁を抱えている場合,その人は「保護」される立場であり,そのような人々を収容し,施設で適切な援助を行っていくことが最善の福祉援助だと「信じている」(価値として)という考えを持っていました.


そのため,その当時の福祉援助とは,施設内処遇が主流でしたし,それに疑問をもつ人もとても少なかったのです.


しかし,このノーマライゼーションという新しい価値を基に,福祉観を整理してみると,障壁を抱えた人々も,今まで生活していた,住み慣れた地域で生活することを支援が最善の福祉援助だと「確信」しました.


これにより,現在の福祉援助や福祉観として,地域生活支援というのは,共通の価値となっています.


施設保護 → 地域生活支援


と,いうようにノーマライゼーションという考え方は,我々援助者の援助観や援助方法を変化させた大きな運動だったいえます.



簡単ですが,昨日の講義のフィードバックでした.


 

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