ソーシャルワークの4つの側面~ソーシャルワークの構成要素
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昨日の学芸大の講義も,少しずつですが,科目の内容に入ってきました.テキストを使った学習は,まだもう少し先ですが…
昨日はソーシャルワークの構成要素について整理をしました.参考にしたのは,Poppie,P.R(2005):ポップルの示す「ソーシャルワークの四つの側面」です.
四つの側面とは,①実践領域,②対象の単位,③方法・援助技術,④社会問題です.
一つひとつ見ていくと,
①実践領域は,高齢者福祉,住宅,職業(就労),保健・医療,リハビリテーション,虐待や放棄(ネグレクト),精神保健,更生保護,児童福祉,公的扶助が挙げられており,これは,実際の実践場面です.つまり,ソーシャルワーカーの活動分野とでもいえるのではないでしょうか.
②対象の単位は,個人,家族,小集団,公的組織,地域社会,社会が挙げられており,ソーシャルワーカーが対象とする単位が示されています.以前までのソーシャルワーク教育では,個人・家族を「個別援助技術(ソーシャル・ケースワーク)」と整理し,小集団を「集団援助技術(ソーシャル・グループワーク)と分類し,公的組織や地域社会,社会を「地域援助技術(コミュニティワーク)」と大別していました.
が,現在のソーシャルワーク教育では,対象の単位としては,個人や家族を「ミクロレベル」,小集団や公的組織を「メゾレベル」,地域社会や社会を「マクロレベル」と分類しています.
③方法・援助技術では,ソーシャル(ウエルフェア)プランニング(地域福祉計画),地域の組織化(コミュニティ・オーガニゼーション,ネットワーキング),調査(ソーシャル・リサーチ),スーパービジョン,コンサルテーション,ソーシャル・ウエルフェア・アドミニストレーション(組織の運営と管理),グループワーク,家族療法,ケースワーク,ケアマネジメントなどが挙げられています.
これらの方法や援助技術を活用して,我々ソーシャルワーカーは問題解決に当たっています.では,その問題とは,どのような問題化というと,以下の④社会問題です.
④社会問題としては,疾病(難病・感染症・癌など),貧困,人種差別,虐待問題(児童・高齢者・女性),精神(精神,知的,身体など),犯罪,非行,アルコール中毒,薬物中毒が挙げられています.
これは取り組むべき問題・課題です.
そして,この問題現象は,個人の内面の存在するものでなく,また社会(環境)に内在するものでもなく,社会福祉学では,個人と環境との交互作用によって生じるものを「問題」と捉えています.このお話は,もう少し先でしますね.
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で,何が言いたかったかというと… 学生さんが想定している活動範囲,援助方法,対象とする問題,対象者よりもっと,もっと幅広い概念がソーシャルワーク学なのであると言うこと伝えたかったんですね.
多くの学生さんは・・ 勿論私も学生の時そう思っていましたが… 個別援助(ケースワーク)がソーシャルワークそのもののと思っていましたが… 実は,ソーシャルワークと言う概念は,もっともっと広い意味を持っています.
これで,少し,将来の自分のビジョンを考えるきっかけになってもらえれば幸いです.また,大学在学中に研究する分野探しの役に立ってもらえれば幸いです.
*今年度使用するテキストではありませんが,GW明けから現代のソーシャルワーク考え方を理解する為に,ソーシャルワークの系譜について学習をしますので使用します.
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