私がソーシャルワーカーになった理由
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本日,5時起床.体調は未だすぐれず・・.「やることリスト」の項目も減らず・・.辛い日々を過ごしております.皆様は,いかがお過ごしでしょうか.
本日は,ちょっと,わたくしごとを・・
大学や専門学校などの講義では,なぜ私が今の仕事,ソーシャルワーカーになったか,と言うお話をしたことはあります.ブログをご覧になっている方で,「なぜ,露木さんはソーシャルワーカーになったのだろう」って,興味をもたれている方もいらっしゃるのではないでしょうか.実際そういったメイルやコメントを戴くこともあります.
そこで,本日は,なぜ,私がソーシャルワーカーになったのかを少しお話したいと思います.
今の学生さんは,「こういう出来事があったから・・ソーシャルワーカーになりたいと思いました」って学生さんは非常に少ないです.しかし,我々が学生の頃は,皆,何らかのソーシャルワーカーになるきっかけのエピソードってありました.勿論私もあります.
私は,高校生のとき,テニスに明け暮れた毎日でした.高校生のときは部長でキャプテンでしたし(中学生の時もです),テニスだけが生きがいでした.しかし,高校3年生になると「引退」を迎えるわけで,そこから進路やこれからの人生を真剣に考え始めます.
もともと,医学や病気などに興味があったので,そういった研究もしてみたいと思っていました.そんな中,エイズの国際会議に出るきっかけを得ました.その当時,まだまだ,日本国内のエイズに対する認識は低く,偏見や差別もありました.私自身は,幸いにも正しい知識を持っていました.興味があれば,「調べる」と言うのは,今も昔も変わりありませんでした.
しかし,国際的には,エイズについてどのようなことが議論されているのか,とても気になりました.国際会議では,星の数ほどあるシンポジウムや分科会の中から医学系を選択して参加していました.
が,ある日.会場近くで海を眺めて船を待っていると,アメリカ人の男性の方に声をかけられました.首からは,私と同じ学会参加のネームが・・
彼の質問は,「日本人は,ソーシャルワーカーっていないのか?」と言うことでした.当時私は,ソーシャルワーカーと言う存在を知りませんでした.彼自身は,アメリカでチルドレン・ソーシャルワーカーでした.
私は「ソーシャルワーカー」なる仕事を調べました.確かに,ソーシャルワーカーっているんです.しかも,社会福祉士という国家資格もあることを知りました.医療ソーシャルワーカーの存在もそのとき始めて知りました.「病気を治す仕事でなく,病気とともに過ごす仕事か」と言う認識でした.
その後は,同学会で参加したシンポジウムや分科会は,「エイズ教育」や「人権」に関するものでした.ある分科会では,東南アジアの「エイズ教育」の現状と課題でした.ストリートチルドレンに対する「エイズ教育」でした.そこで,私は衝撃を受けたんです.そこでは,子供たちにまず言葉から教える必要があると言うこと.言葉がわかり「エイズ教育」をはじめると内容の理解が進みます.しかし,結論として子供たちから帰ってくる言葉は,「潜伏期間があるんだからいいよ.僕たちは,明日食べるものだって十分に補償されていないんだから」と言う一言でした.このとき,欧米のシンポジストたちは,「エイズ教育」の有効な教材やプログラムについての発表でした.
頭では,わかっていても,実際,生の声やVTR,スライド(写真)などを目の当たりに衝撃的でした.人の生活って何なんだろう・・って思いました.人生って何なんだろうって思いました.「当たり前」って何なんだろうって思いました.
更に,現在もエイズの発症を押さえる薬は出ていますが,エイズになってしまった場合の特効薬はありません.この学会で,我々が生きている間にエイズを治す特効薬は開発されないだろうとも言われました.
であれば,「病気を治す仕事ではなく,病気とともに生きる人々の生活を支える仕事をしたい」と思いました.
少し長くなってしまいましたが,私がソーシャルワーカーになるきっかけはこの出来事なんです.だから,私のソーシャルワークの根本には,「病気」と「生活」は密接しているんです.
不治の病や難病,末期の癌,後遺障害など,現在の医学をもっても治癒しないものはたくさんあります.ソーシャルワーカーの仕事は,障害や病気と共に過ごすこと,余命幾ばくもない時間を共に過ごすこと・・・ その生活とは,その人らしいものであることが重要で,我々ソーシャルワーカーは,その人らしい生活を共に模索し,支えることだと思っています.そして,すべての出来事に対する「意味づけ作業」を共にしていくことだと思っています.
起こること,やることすべてに,何らかの意味があって,人生は,この「意味づけ作業」の連続なんだと思っています.意味づけ作業には,「語り」が必要です.我々ソーシャルワーカーは,ただ寄り添い,黙って,患者さんや家族の言葉に,耳を傾けるという役割や機能もあるんじゃないかと思っています.私自身,過度の援助は,患者さん・家族からの拒否を招くとも考えています.
必要な時に,必要な量の言葉かけが重要なんです.
いつまで,臨床が出来るかわかりませんが,一日一日,一つひとつの面接や出会いを大切にしたいと思います.
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ミネルヴァ国家試験対策 介護福祉士ワークブック〈2010 上巻〉
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