家族介護 家庭介護の今

26 4 月, 2009 (06:30) | コラム(ライフスタイル), 推薦図書

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本日5時半起床.お休みなのにいつもと変わらない時間に起床してしまいました.

ということで,本日はお休みです.午後から表参道で結婚パーティーがありますのでそれに参加します.もう式等は大阪で済ませているようです.で,東京でのお祝い会ですね.午前中は,これからコーヒーショップにでも行って,原稿整理をしたいと思います.限られた時間を有効に活用したいと思います.

この頃,病院での面談で感じることなんですが・・.当院は,回復期リハビリテーション病棟と一般病棟を持っている関係で,治療やリハビリテーション終了後,介護サービスや自宅の環境面を整えて,自宅に帰り,自宅介護をする方がたくさんいらっしゃいます.一日の面接の1/3~半数が在宅への退院相談です.

で,この頃面接で,自宅介護の不安をおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます.担当の医師,リハビリスタッフとの協議をして,またソーシャルワーカーのアセスメントをもとに,退院の話を進めているため,問題ないと判断しているのですが,自宅介護の不安を抱える方が多くいます.もちろん,この自宅退院の意思決定は,最終的にはご家族の判断によります.

では,なぜ,このような現象が起きているのか・・ それは,4月20日,父親の墓石のまで自殺をした清水由貴子(49)さんの影響があります.面接のなかで,事実「清水さんの自殺の報道を見て,自宅介護をすることが不安になりました」とおっしゃる方がいらっしゃいます.

ここでは,清水さんの自殺については触れませんが,報道がとても悪いため,家庭が自宅介護を抑制している部分があります.介護という問題を普遍化しようとして,どの症例にも,どの家庭にも,この清水さんの事例を当てはめて報道しているため,余計な不安を与えています.介護は楽なことではありませんが,その介護を通して,家族内にしかわからないコミュニケーションや,今までの生活や人生,これからの介護者自身の老いの問題など・・,とても重要なことに気づいていきます.

介護は,普遍化できません.特に家庭介護は,家族の生活様式や家族内の習慣など様々な要素が相互または交互に関連しあっているためとても複雑です.

この頃,ご家族が「不安」に思うことを一つ一つ拝聴し,その不安に対して,どのような対応や対策が必要か,そして,現在進めている在宅準備では,その点についても配慮していることを再度確認する作業を行っています.家庭介護・在宅退院への支援は,単に身体的側面や精神的な側面だけに着目するだけでなく,社会的な側面や物理的側面(環境面や経済的な側面など),心理的側面,霊的側面(家族内特有の慣例や儀礼,思想・信条,宗教など)といった多側面に着目し,包括的な支援を行っています.

介護や福祉に無関心,無知なコメンテーターが,無神経に発する言葉が,実際自宅介護をして苦労している人々や,これから自宅介護をしようと決心している人々を苦しめていることは事実です.実際介護をしている人が,あのチープなコメンテーターのコメントを聞くと,腹立たしくなると思います.いや悲しくなると思います.

自宅介護と施設介護のハザマで,苦しみながら自宅介護を選択する人,苦しみながら施設介護を選択する人をたくさん見ています.私は,家族が言いにくい結論を手助け,後押しすることもあります.公平な視点で自宅介護と施設介護を説明します.正しい知識,理解を促すことで,現時点での家族なりの結論を出していくのです.その後,私は,今後想定されるすべてのリスクを考慮に入れて,在宅の準備のお手伝いをしていきます.

お休みの日に難しい話ですみません.

 『高齢者ケアの心理学入門』 本荘繁著 まずは,「老い」や「認知症」の世界を知り,理解することが重要です.

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