役割,居場所,環境の設定 ~道徳性の発達段階 コールバーグ(Kohlberg,L)
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本日5時起床.本日は,一日病院勤務です.土曜出勤です.
昨日は,一日病院勤務のあと,ダッシュで移動.19時から勉強会の講師でした.
昨日の事例は,30代の男性Aさん(愛の手帳3級,区分認定②)の事例でした.この事例は,2月にも一度検討した事例でしたが,とてもよい事例だったので,今回もこの事例を使用しました.いつもどおり,10名前後の丁度よい人数でした.
事例の主な検討課題は,①集団におけるAさんの役割を考える,②Aさんの居場所とは,③Aさんの環境の設定や保障でした.この3点について,参加者それぞれに語っていただきました.①については,事例提供者や事例提供者の同僚からも,「毎朝のゴミだし.ダンボールや空き缶などを指定の場所に出してくれる」ということがありました.また,参加者の方から,この行為に労いの言葉をかけること,(他の利用者がAさんがやっていることをしらないこともあり)他の利用者にも認知してもらえるような配慮をすること,しかし,それが過度にならないように気をつけること・・などが話し合われました.私からは,役割・・居場所・・を見つけるためには,Aさんのストレングス,力点に着目してあげることが重要であることを付け加えました.
②のAさんの居場所や,③のAさんの環境設定や保障についても,たくさんの意見が出ました.他の利用者の声や会話が聞こえるが,Aさんが作業に集中できるような環境の設定の具体的な例や意見が出ました.是非,試してみて欲しいと思います.
更に,本事例が教えてくれたものとして,私の方からコールバーグ(Kohlberg,L)の道徳性の発達段階について講義しました.余り細かいことは書きませんが,道徳性の発達を促進する為には,まず自分とは違う,自分からより遠い立場にいる様々な人に目を向け(脱中心化),そしてその人の立場で考えてみること(役割取得)が重要であり,そうすることで,今までの自分の判断基準では解決できないような役割状態が生じる.そのときに,一段進んだ考え方に触れると,その考え方を取り入れて自分の考え方を組み立てなおし,葛藤を解決できるような判断基準を作ろうとする.と,いうことを解説しました.
また,従来の知的障害者分野の道徳性の発達への支援は,援助者が規定する中で,慣習的水準以前の第一段階「罰と服従への志向」や第二段階の道具主義的な相対主義志向~Give and Take」でとどまっていたように思います.整理した道徳性の発達については,放っておけば促進されるもではなく,やはりそれなりの支援が必要になってきます.つまり,援助者は,発達段階を意識して,利用者自身が社会の立場について考えられるように支援する必要があります.そのためには,利用者一人ひとりを個別化し,その人のもっている力を発揮することが重要となります.今回の事例検討では,言及しませんでしたが,Aさんの笑顔は,社会を生き抜く武器になるのではないだろうか.それを引き出す為の援助者と環境整備が今後の過大だと思います.
最後に,皆さんから感想をもらい,事例提供者からも感想をもらい,約120分の勉強会が終わりました.
その後は,恒例の飲み会.超人気の焼き鳥屋さんに行きました.もちろん,ワインをいただきました.ワインが決してたくさんあるお店ではなく,「ワインのボトル」と言って出てきたフランスのテーブルワイン(白ワイン)をいただきました.時計に目をやると,1時過ぎ.帰宅は,1時半過ぎでした.
その後,宅配ボックスに届いていた,専門学校(通信制:社会福祉士養成)からの資料を整理して,お風呂にゆっくり浸かり就寝.といっても,仮眠で本日は,5時起きです.
『知的障害の心理学~発達支援からの理解』 小池敏英,北島善夫著このブログの順位へ←このブログのランキングもわかります.今後ともよろしくお願いいたします.
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